PCDJ配信の際にオーディオIFでYケーブルを使う方法

2020年5月7日

どうも、お役立ち情報満載のDJTipsメディアでおなじみアヘバス管理人です。

今回はオーディオIF接続時にありがちな失敗、Yケーブルについて取り上げていきます。

長年理屈がわからなかったのですが、最近になってようやく理屈が分かったので配信シーンが盛り上がっている今がチャンスであり、そしてYケーブルを買えと勧め続けてきた責任を果たしていきます。

結論:対処はできるがおすすめしない

片方のチャンネルにマイク、もう片方にYケーブル。

恐らく、マイクの音質をもっと良くしたい、と言うことで写真のような接続方法を試している方がおられるかと思います。

ミニピンジャックをフォーン変換プラグで変えてやって、MONOスイッチを押し、ケーブルを挿す。するとどうでしょう、マイクは普通の大きさですが、DJコントローラーから出る音はほぼ無音に近い状態の音になります。

これはUR22Cに限らず、Quad-CaptureやUS-144mk2といった、いわゆる入門向けの2in仕様のオーディオIFであれば例外なくありえる仕様です。

対処方法はDJコントローラーの設定をステレオ出力→モノラル出力に変更すると上記写真の接続方法で使用ができます。ただし、あくまでも対処療法的な使い方になるのであまりおすすめしません。

おすすめできないポイントは以下の2点

  • この手法を取れるコントローラーが限られている
  • オーディオIFの長所を活かしきれない
  • そこまでマイクの音は良くならない

・この手法を取れるコントローラーが限られている

Rekordbox対応コントローラーとRekordboxの組み合わせなら確実にできますが、Serato DJやTraktorの場合はコントローラーの能力に依存します。全ての機材がステレオ→モノラルに変更することが出来るとは限らないので過度な期待はしないでほしいです。

・オーディオIFの長所を活かしきれない

オーディオIFには音を増幅させるプリアンプが入っているのですが、DDJ-400やRBといったバスパワー駆動で音が小さいコントローラの場合は必要以上に音をあげなければいけません。

そうすると、ケーブル内のノイズも増え、音は大きくなっても入った雑音も一緒に大きくなります。

・そこまでマイクの音は良くならない

ケーブルがTRSフォンからキャノンになったからと言ってそこまで音が良くなるわけではないです。おしゃべりくらいなら全然差はつかないので、こだわる部分じゃないと思います

対処方法 その1 接続方法を抜本的に変える

ベストはこれです。Yケーブルではなく、RCA、デュアルフォンケーブルを使ってください。マイクはPCDJコントローラに接続してください。

対処方法 その2 卓ミキサーを買う

3ch以上の卓ミキサーを購入しましょう。

対処方法その2 DJコントローラーをモノラル出力に変更する

DDJ-400/RBの場合はステレオ→モノラルに出力変更をすることが出来ますので、こちらの方法で一応解消できます。

  1. Shift+playボタンを押しながらUSBケーブルを使ってPCとDDJ-400に接続する
  2. HOT CUEボタンを押す
  3. DDJ-400のUSBケーブルを一度抜く
  4. オーディオIFをモノラル入力に変更する
  5. OBSの音声入力キャプチャ設定をモノラルに変更する
  • Shift+playボタンを押しながらUSBケーブルを使ってPCとDDJ-400に接続する
  • HOT CUEボタンを押し、ステレオ→モノラルに切り替える

パフォーマンスパッドのモード選択、「HOT CUE」ボタンを押し、消灯させます。

  • DDJ-400のUSBケーブルを一度抜く

「HOT CUE」ボタンの消灯を確認したら一度USBケーブルを抜きます。

  • オーディオIFをモノラル入力に変更する

UR22Cの場合はMONOスイッチを押下することでモノラル入力に切り替わります。

  • OBSの音声入力キャプチャ設定をモノラルに変更する

OBS上で「オーディオの詳細プロパティ」を開きます。

ポップアップウィンドウの「モノラル」にチェックを入れます。

音量調整はあんまり余地がないです。ノイズが入ろうが何しようが目一杯挙げないと音量が稼げないです。

余談 DJ機材をバンド機材に置き換えて考える

さて、注意喚起が終わったところでここからは私自身の覚え書きというか了解です。

この手のオーディオIFの説明書でDJ機材の配線を取り上げられてないのがそもそもの原因ですが、配線の様式としては「キーボード、シンセサイザー」と同じです。

同じとする理由としては以下の通り

  • LRのステレオアウト
  • ローインピーダンスのLine入力である

という特徴があります。

LRのステレオアウト

これはもうご覧になったら分かると思いますが、ご丁寧に赤と白でLRの区別がつけられています。

なので、基本的にはDJ機材はステレオ音声で出力できる機材です。

ステレオで接続するメリットとしては左右に信号が分かれるため、音に立体感が出る事が大きなメリットです。

ローインピーダンスのLine入力である

インピーダンスとは電気抵抗の事です。中学生の時に我々はΩ(オーム)という記号で勉強していると思います。

ギターやベースと言った磁石(ピックアップ)を使った弦楽器をハイインピーダンス楽器と言い、それ以外の楽器はローインピーダンスと言います。

キーボードもDJコントローラーもDJミキサーもローインピーダンスのステレオアウトということで理解をしていただければと思います。

注意点:ギターとベース以外の楽器を接続した状態で、Hi-Zを入れると機材がぶっ壊れるので、Hi-Zスイッチは絶対にオンにしないでください。

ステレオ出力のままだと何故使えないか

ステレオアウトのケーブルをYケーブルでモノラル出力にできない理由ですが、YAMAHAさんのPA講座に分かりやすく書いています。

キーボードなどのステレオ出力をYケーブルなどを使用し、TRSコネクターをモノラルチャンネルに接続しないでください。LとRで打ち消し合って、音が聞こえないというトラブルになります。

YAMAHA PAビギナーズガイド PAで使われる端子とは

引用先のページに書いてあることが全てですが、投げっぱなしだとこの記事を書いている意味がないので、もう少し詳しく解説します。

フォーン端子には2種類の端子がある

私達がヘッドホンジャックの大きさを変換する際に使っているフォーン端子には実は2種類の物があります。

バランス接続用のTRSフォーンとアンバランス接続用のTSフォーンの2種類です。

手持ちの都合上TSフォーンがL型ですが、形よりも先のリングが2か1つかが重要

先端にあるの黒いリングをTipリングというのですが、それが2つついているものがTRS(ステレオ)、1つのものがTS(モノラル)です。

では、Yケーブルの先を見てみましょう。

リングが2つなので、TRS(ステレオ)ですね。オーディオIFとジャックの大きさが違うので変換プラグを使用して接続しますが、変換プラグもイヤホン用のものを流用しているならTRS(ステレオ)です。

オーディオIFの2INの仕様を確認する

あなたは自分が使っているYケーブルがステレオ端子であることを確認しました。

次はオーディオIFのインプットジャックを観察しましょう。

MONOスイッチでモノラル入力に変わるLとRの2INコンボジャックですね。

と、言うことは

  • MONOスイッチオフの状態でTRSをどちらか片方にセットする

ステレオ入力、LとRが明確に分離した入力で片側にしかジャックを入れていないので、右から、あるいは左からしか音が流れません。

これは当たり前ですね。赤白の入力端子の片側にしかケーブルを差し込んでいないのと同じ理屈です。

  • MONOスイッチオンの状態でTRSをどちらか片方にセットする

経験済みだと思いますが、非常に小さい音しか出ません。LとRの信号が互いにノイズだと認識して、位相反転し打ち消し合っているため、音がでないのです。

位相反転とは

前提として知ってほしいのが基本的に音楽で使う電気信号は外部の刺激にメチャクチャ敏感だということ。

私達の願望としては楽器が奏でる音や信号だけを拾いたいのですが、実際にはその他の雑音なんかも一緒に取り込んでしまっているわけです。

一般的な生活に置き換えると、通話をしている時に相手側の雑音が気になって、受話器の音量を上げるものの、結局雑音も大きくなってあんまり良くわからないという経験をしたことがあると思います。

そうしたら人間は愚かではないので何かしら対策します。雑音の発生源から離れて、静かなところで会話をしようとしますね。

ケーブルの場合も同じで、楽器の音と一緒に雑音が混じっていたら嫌なので、ノイズを消そうとします。

その方法が位相反転です。

皆さんはノイズキャンセリングイヤホンを使ったことはありますでしょうか。

マイクで取り込んだノイズと逆位相の音を出して、ノイズを消すという画期的なイヤホンですね。

ザックリいうとケーブルの中ではノイズキャンセリングイヤホンと同じことが起こっています。

微弱な音声信号に乗ったノイズを逆位相ではじき出してやるから、ギターやベースの弦の小さな震えだけを拾って音をアンプで増幅させてスピーカーに乗せてやることができるのです。

ただし、これらは位相がついていないモノラル入力の場合の話。

左右に信号を振っているステレオケーブルの場合は互いの音を打ち消し合って結果的に音が聞こえなくなるわけですね。

じゃあBluetoothスピーカーはどうして音が出るの

Bluetoothスピーカーがの殆どの製品がAUX(3.5mmミニピンジャック)1本しか持っていないだけで、ステレオアウトの機材だからです。

オーディオIFではモノラルスイッチをオンにしているので、ノイズを排出するための位相反転が起こりますが、我々がYケーブルを使って接続しているのはステレオアウトの機材なので、違いが感じられるかどうかはともかく信号的にはLとRで分配されて音が流れるようになっています。

おわりに

さて、ステレオアウトをモノラル入力に入れると位相反転して音が出なくなるというのがトラブルの原因でした。

余談ですが、旧バッドアスギークの方で執筆したJOYSOUNDの楽器部屋の装置の事を紹介した事をご存知の読者さんはいるかと思います。

http://blog.livedoor.jp/makutan03-otakudj/archives/1070574503.html

間違っても今紹介した方法でギター用端子にこの方法でYケーブルを接続しないでください。

ギター用端子にLINE入力を入れるとアンプがぶっ飛びます。