どうもアヘバス管理人です。
高松で開催しているベースミュージックパーティーsweetieに出演させていただきました。
mixは出演する度にこそこそ録音してmixcloudに公開しているのですが、割と手応えあり!な感じなので今回は調子に乗ってトラックリスト解説とsweetieの紹介をさせて頂きたいと思って記事を書きました。
sweetieとは

高松で年2〜3回ペースで不定期開催しているベースミュージックパーティーです。
主催であるVJ赤坂尊子(仮)氏が見たいゲストを呼んでくるという事で、この片田舎に首都圏からどでかいゲストがやってくるのが特徴です。
レギュラーメンバーとローカルゲスト、そしてSPゲストで構成されており、今回はローカルゲスト枠で呼んでいただきました。
レギュラーメンバーはベースラインハウス、2step、レゲエ、ジャングルに精通しており、今回の構成もいい意味で振れ幅の広いDJさんが多い印象です。
語りたい部分は大いにありますが、1番は実際に見に来ていただけるとありがたいです。あり得ないくらい近くで大物ゲストを見る事ができるのがこのパーティーの醍醐味と言ってもいいでしょう。
ミックスの視聴とねらい
ミックスクラウドのリンクはこちらです。
前のDJさんが130〜140あたりでベースラインとノイズミュージックをするDJだったので、ドラムンベースの為にbpmチェンジは必須…と思っていましたが、ありがたい事に170まで上げてもらうお接待を頂いてしまい、流れに逆らうのもアレだったので、スタートからぶっ飛ばしていく事に。
最終的に次のDJさんに130で渡していくという流れになってます。
トラック解説
北斗百烈脚/pencil
GAOnet017収録
表題通り世紀末のような音がするjuke。当然元ネタは北斗の拳。
私自身はそんなにナードコアに対して学がないので、曲はともかくとして、分かりやすくシンプルなネタを使いがちです。
ブタゴリラ、トンガリを撃つ。ブタゴリラ、ジャージーに逃げる/kimo_ota
つくしEP12 収録
元ネタはキテレツ大百科272話 「サスペンス!アメリカ土産は恐怖が一杯」ブタゴリラがトンガリを射殺する衝撃的な回。
前曲の「北斗神拳…」部分からカットイン。
コロ助の「ボクはギャングじゃないナリよ」が寒々しい、ギャングな音がするオモロかっこいいthis is nardcoreって感じの1曲。
オトノケ/creepy nuts
ダンダダン一期OP。
声ネタと声ネタで繋ぐいわゆる天才繋ぎ。
近年のポップソングは基本的に短い尺の中で以下に展開を作っていくかの勝負になっている為、繋ぐのが難しく、オトノケに関しても曲が繋がれるのを拒むような印象を受けます。
アニソンブートもいくつか用意してたので、アニソン含むポップス/クラブミュージックの比率を測るためにかけましたが、今夜の指針はこれで決まったようなもので、すぐに切り替えていく感じになりました。
FREAKY(JUST MY TYPE)/SHERELLE
2019年のボイラールームでヤンチャっぷりを世界に轟かせたfootwork jungleのDJ、SHERELLEの最新リリース、FREAKY。
色気のあるマイナーコードのまま一旦沈めて仕切り直しをします。
Real Lo Remix/4am kru
ロンドンのサウンドエンジニア/DJのGuido YZの2023年リリースReal LoのロンドンのジャングルDuo、4am kruによるRemix。
前述のSHERELLEからのアーティストサジェストで辿り着きました。
レイヴィーでアッパーテンションで、バカっぽい感じの音が最高にツボなんですが、このテイストのフットワークジャングルって意外と見つからないです。
Juke/footworkを聞いているのがもう日本人くらいしかいないとかいう噂も聞いたりしていて、spotifyとか探しても暗い路線の物が多く、digに苦心していますが、掘りがいのある道だと思うので拙いですがとっかかりとしてこの文章を残しておきます。
とにかく聞いてくれ。
Ultra Energy/oshirijima
日本のfootwork/juke界を代表するトラックメイカーoshirijima氏が最近復帰したとの報を聞き、かけたいなと思った一曲。フロアをシバきにかかるゴリゴリのリズムトラック。
JITTER'S PARFAIT/monolith slip
つくしレコーズ つくしEP14収録。
K-popが元ネタとの事ですが、原曲が全くわからんので詳しい方誰かコメント欄でこっそり教えて欲しいです。
この曲かけてる時がインスタのストーリーズで1番抜かれてたので、一山作れたなと言う印象。
つくしEPでガチでかっこいい感じのトラックをドロップすると言う高等ギャグ。
Pony (feat.Sonar's ghost)/Tim Reaper
来日経験もあるモダンジャングルの若き才能、Tim Reaperの代表曲。
正統派ジャングルに見せかけて、中盤から4つ打ちが入ってくるので、オールジャンルプレイヤーやjuke/footworkからの変化をつけていくのにもってこいです。
Take it on/D'TCH
前述のSuper Sonic Booty Bangerのレーベルメイト、D'TCHのTake it on。
レーベルは前述したSHERELLEのHoover SOUND。リンク先4曲目。
こちらも倍速テクノのような4つ打ちドラムンでジャングルで疾走感とハーコーライクな力強い4つ打ちが同居しており、新しい感じがします。
All Night Party People/Samurai Brakes
イギリスのベースミュージックDJ、Samurai Brakesの主催レーベル、Super Sonic Booty Bangerのリリース1発目、All Night Party People。
所謂4つ打ちドラムン(トラック全体を通じてハットはブレイクビーツ要素を持ちつつもキックが4つ打ち)で、Samurai Brakesがベースラインハウスのトラックも作っている事から、ベースラインハウスを早くしたようなそんな感じの印象。
表題通りのハッピーな曲で、去年出た時もかけました。
math/DJ Heero Yui
今回のdigの1番の釣果。
倍倍FIGHT!/candy tuneネタのナードコア。
説明するだけ野暮なので後は聞いてくれって感じです。
個人的には複雑なポリリズムのシーケンスの部分が芸術点が高いと思っています。
緻密な選曲やEQ管理での音量調整でフロアコントロールは勿論大事ですが、結局狙っている効果としては緊張と緩和なわけでして、目的が一緒ならシリアスな雰囲気にバカを注入する方がよっぽど分かりやすい効果が出ると思います。私にとってはこういう曲の存在は本当ありがたいです。
マツケンサンベース/Dubclx
マツケンサンバ2ネタのドラムンベース。
ここ最近よく使ってます。こちらもカッコ良さとバカが同居している快作。
1コーラスしかないので割とパパッと繋がないとモタっとしがちです。しっかりCueを打ちましょう。
はいよろこんで so-so remix/こっちのけんと
紅白歌合戦、存在しない白組繋ぎ。
リミキサーはヒューマンビートボクサーのSO-SO。
各種メディアで聞かない日は無いと言っても過言では無いバイラルソングをjerseyのリズムパターンやニューロファンク等の美味しい部分をギュッと凝縮させてます。
例によってイントロがないので前半4小節をループさせながらビートを馴染ませて行ったり、1/8ループではいはいはいはい…とかやりようは色々ありそうかな、と。
lunberjacki'n(vocal mix)/Serum
ニューロっぽい雰囲気を利用してそのままマイナーテンションを引っ張りながらようやく王道のドラムンベースセクションへ。
Jump upの王様、Serumの代表曲lunberjack'nのボーカル入りVerです。
Kung-fu master/Tomoyoshi
続けてこちらもJump-up
ベルリン在住の日本人DJ Tomoyoshi氏のKung-fu master 。
ボーカルが続いた後に急にインストになると締まりすぎるので、リニアなカーブを描いていくように割とわかりやすさ重視でいく感じです。
Mesmerise/Flava D
みんな大好きFlava Dお姉さんのMesmerise。
レーベルはhospitalという事で広義的にはリキッドファンクと言えると思いますが、ベースが結構アグレッシブなので、雰囲気のスイッチに便利な曲だと思います。
彼女もSamurai Brakesと同様ベースラインハウスとドラムンベースの二刀流なので、ベースシンセに関しては色気を感じます。
Midnight/1991
ロンドンを拠点に活動しているDJ、1991のリキッドファンク寄りの作品。
作風はどちらかというとEDMっぽいオーバーグラウンド的な作品が多いのですが、荘厳なパッドやスピーディーなカーブを描くリードシンセを余白たっぷりの空間に緻密に散りばめる手腕はお見事。
Good Luck(circadian remix)/bassment jacks
ベースメントジャックスの代表曲で士郎正宗原作の劇場アニメ「アップルシード」の主題歌にもなったGoodLuckのRemix。
多分薬屋のひとりごとの主人公ならドヤ顔で「これ、アニソンです」という事でしょう。
昨年何の前触れもなく急にリリースされてちょっとざわつきました。
リミキサーは勢い、実力共に絶好調、来日公演も果たしたcircadian。
原曲は荒々しいデジタルロックを流麗なストリングスと激しいワブルベースで強烈な飴と鞭。
前曲も展開が詰まり気味なのでクイックに繋いでいきます。
Like This/Simple souls
世界的にも珍しい楽器全般がガチで上手いDJ、プラハ出身のSimple SoulsのLike This。
代表曲の多くはjazzyなリキッドファンクが多いのですが、Like This!に関してはかなり野心的でブルージーなギターリフと勇ましいホーンセクション、そして、bangerなベースドロップで盛り上がる事間違いなし。
時間的にも後半折り返しでここが最後の山場という所で使いました。
Mind Over Matter(Hugh Hardie Remix)/Black lab
原曲は2021年リリースのオーソドックスな歌モノリキッドファンク。
リミキサーのHugh Hardieは色気が飽和するような甘い感じの曲が多く、正直原曲に対してどんなアプローチをするんだろうと思っていたら、一歩踏み込んだような荒々しいサウンドクリエイションが逆に新鮮。
リキッドファンクをやるにあたって前述のSimple Souls、Hugh Hardie、そして後述するBrakeは基本指名買いというか、やるとなったら必ず彼等の新譜から逆引きしていくくらいには好きなアーティストです。
wait for you/brake
お色気お兄さんセクションのラストを飾るのは一連のセクションの中では比較的古参にあたるBrake兄貴のwait for you。
3曲続いてきたリキッドファンクの中では最もカームダウンさせるような曲ですが、ソウルフルなボーカルと爪弾くようなギターアルペジオがたまらんです。
Right now/new jeans
説明不要のK-popの大アンセム。
サウンド的には下げ、知名度、盛り上がり的にはアゲまくりなのであと2〜3年は寝かせないと思った通りの動きにならない気はします。
アニソンDJの仲間もいる中で全然知らない早くてうるさい曲ばかりでは辛いのでサービスです。
Run/iri
2024年は日本武道館でのライブやフジロック出演など快進撃が止まらないシンガーソングライターiriの正統派リキッドファンク、Run。
TAARがアレンジャー/プロデューサーとして参加している事もあり、ポップでキャッチーでそして踊れる一曲となっています。
歌詞の方も細かく刻んだラップが気持ちよく、気持ちが高揚します。
Ever So Slightly/Lenzman
リキッドファンクセクションの締めくくりとして選んだのはLenzmanのEver So Slightly。
ジェームズ・ブラウンのSunnyをサンプリングしたスモーキーな味わいのジャジードラムンベース。
今回のbpmトランジションの要となる曲。
In The City(Musicarus Jackin Edit)/岩崎太整
血界戦線 OSTよりハウスDJ、Musicarus氏のJackin houseエディット。
猫猫がDJなら(以下略)
BPMスイッチが楽曲内で設けられており、中間の90→120になる部分でドラムン→4つ打ちにしていく為に使用。
原曲はメロウなローズピアノの危険なエロに4つ打ちを足すことで健康的なエロになってます。
Welcome to the disco(feat.Macross82-99)/YUNG BAE
健康的なエロから健康を目指していこうと言う事で、Air powerのアンセムWelcome To The DiscoをFuture Funkの二大巨頭YUNG BAEとMacross82-99が好き勝手にやる一曲。
ネタはまんま使いで、キックがドカドカやってるチグハグさが面白いです。
Happy Fire/QPLO
後述するItoShin経由で見つけてきたギターとDJのユニット、QPLOのディスコハウス。
カッティングギターが気持ち良い、棚にあったら手に取ってしまう感じのポップさを感じます。
愛♡スクリ〜ム(ItoShin Remix)/AiScReam
2025年におけるビビデバ枠で、爆発的にbootlegが発生している愛♡スクリ〜ムを軽やかなハウスにRemix。
アッパーテンションのRemixが多い中でキーを下げ、音数を減らすことでしっとり大人な雰囲気にするエスプリの効いた1曲。
Tokyo Disco Music All Night Long(yamakagebeats Remix)/kagami
原曲はkagamiの特大アンセム。yamakagebeatsがトライバルハウス風のリミックスに仕立て上げた一曲。ネタのわかりやすさがあり、テンションを上げすぎず、下げ過ぎずという要望を叶えてくれるありがたーいリミックス。
ここ最近色々なところで使っておりますが、本当便利で助かっています。
おわりに
と、言う事でmixに使用した楽曲レビューでした。
基本はセットリストを組んでガチンコにショーケースみたいな感じでやってきましたが、ここ最近になってようやく手癖以外の曲でもセットリストを組まずにできるようになってきて、ちょっと成長したなと実感する現場でした。
感想としては出自がポップDJなので、自分の得意分野を扱うと、大きい山に対して深い谷という激しいアップダウンが生まれる事をもっと積極的に扱っていこうと感じました。
シンガロングまではいかなくても、やっぱりポップスは偉大でめちゃくちゃ盛り上がるのですが、盛り上がった後をどうやって着地させるかという先を見据えたプレイングを心がける事を大事にしました。
従ってアップダウンの連続ではなく、角度の浅い緩い丘陵を小さく小さく3〜5曲位で作っていくのがいいのかな、と思いながら試行錯誤した感じです。
結果的にハマった感じになってゲストDJにもいい感じで渡せたので本当に良かったです。
貴重な機会をいただきまして本当にありがとうございました。


