どうも、アヘバス管理人です。
GWは各地でイベントが行われており、私自身もキャリア初の遠征事案に胸をときめかすような事がありました。
さて、今回は機材の話ではなく2019年のアニソンRemix DJの立ち回りについて。
好きなトラックメイカーと少々のDJ論が含まれています。
記事の対象者
- アニソンRemix DJ
- 特にデビューしはじめの若手
- アニリミで何を流したらいいのかわかんない人
対象者は以上の通りです。
アニリミの発生の仕方と流行ジャンル
本題に入る前にアニリミの発生の仕方について簡単にまとめておきましょう。
DJは勿論、トラックメイカーにとってもネタの鮮度は重要視されるポイントの1つです。このネタというのはアニメタイアップのOPやED、挿入歌になります。
リミックス製作者の好きなアニメや、鮮度の高いネタ――所謂覇権アニメと製作者がメインフィールドに据える音楽ジャンルの相乗効果を狙って制作された楽曲がアニソンRemixになります。
勿論、音楽ジャンルにも栄枯盛衰があります。EDMが世界中で大ヒットしていた当時はBigroomやElectroのRemixやマッシュアップは多かったですし、banvoxが巨大フェスで活躍していた当時はFuture bassのアニソンRemixが大人気でした。
自然発生しては消えていく(厳密に言えばブームが沈静化していく)のが世の常ですが、アニソンRemixに関してもグローバルなクラブミュージックの流行を掴んだその年の顔のようなトラックメイカーが何となくアニソンRemixシーンの方向性に道筋を立てているようなそんな印象があります。1クールに100曲近い楽曲がリリースされるのですが売れ線Remixは「その年の顔のようなトラックメイカー」が中心フィールドにしているジャンルのRemixになるという事です。
勢いのあるアニメ×勢いのあるトラックメイカー=その年流行ったジャンルみたいな感じで漠然と捉えています。
なので、その年にガンガンアニメ見てRemixを制作するパワーと時間がある人の制作している音楽ジャンルがその年の流行ジャンルになると感じます。
2019年はbassline houseが流行中
記事執筆時点では2019年早くも下半期も過ぎたところで今回のような記事を投下するのは些か遅すぎるような気もしますが、2019年はbassline houseです。
bassline houseとはざっくり説明すると1990年台に勃興したUK Garage、2Stepのリズムにリードシンセとしてシンセベースの音が使われている音楽ジャンルです。
BPM帯は140前後。音色の傾向としては2stepやUK garageに代表されるbpm130〜135を気持ち早くして、硬いドラムキットと色気のあるソウルボーカルをそのままに重たい感じのベースシンセが入ってくる妖艶な空気感を醸し出している印象。
UK本国における2stepのモダナイズの結果がこれなのかな、と言う印象です。
私もあんまり詳しくはないのですが、個人的に好きなアーティストとしてFlava Dお姉さんの名前を挙げさせていただきたいと思います。
日本で度々アクトを行なっているので、こういう感じが好きな人はチェックしておくと良いとおもいます。
アニリミ ベースラインハウスの傾向
サウンドの傾向はトラックメイカーによって味付けが異なると思いますし、全てのをアレンジを追っているわけではないので断定はしかねますが、観測してる中でここ最近のアニリミに関して言うのであれば。
言うのであればですよ、UKアンダーグラウンドシーンが相続した2stepとディープハウスのハイブリッド的なサウンドは少なくワブルベース主体のダブステップ的なアプローチのちょっと前のBass House的な作品の投稿が多いような印象です。
良いとか悪いとかではなく、前述のように覇権アニメ×覇権シーンとなると必然的にフロアがドッカンドッカンなるわけですから、所謂界隈での「治安の悪い音」と言う方向性が打ち出された結果が2019年のアニリミの傾向になるんじゃないかと感じます。
2019年のキーマンを独断と偏見で紹介
と、言うわけでbassline houseが恐らく2019年の流行ジャンルであろうと仮定した上で、basslineは勿論のことや2step/Garageのトラックメイカーを独断と偏見で紹介して行きます。
ここで挙げたトラックメイカーの諸兄等はほんの一部にしか過ぎません。ここで紹介しなかったとしても恐らくまた何かの機会で取り上げることもあると思いますので、何卒ご了承ください。
The Herb Shop
関西を中心に活躍しているDJさんです。
出自がメタルのギタリストと言う事で作ってるトラックが安易にアッパーに行かないところが職人っぽくて好きです。
takashima
2018年から着実に人気を獲得している和歌山のトラックメイカー。2step/garageのコンピも出していることもあり、元々造詣が深いんだと思います。上で紹介したThe Herb shop氏との共作 shiny days Remixは必聴。
jacotanu from lady's only
インターネットシーンで大活躍のlady's only。昨年のDigital tatooのスマッシュヒットは記憶に新しいのではないでしょうか。
bassline の文脈で採用するとしたらlady's onlyは勿論、トラックメイカーjacotanu氏のチェックはマストだと思います。
2019年アニリミ、クラブイベント問わず使われそうな予感がムンムンのチミドロ「わんにゃんパーク」jacotanu Remixはチェックしておくべきでしょう。
the sub account
現実世界でのアクトは終了しましたが、future garageをベースに大ネタを二乗するようなアッパーチューンを作り続けた氏の功績は計り知れません。今後もパーティーの名シーンを彩る事間違いなしでしょう。
本当に色々な曲がありますが、強いて言うなら少年ハート(the sub account flip)がbasslineに近いアプローチのbootlegだと思います。
Genick
脂ノリノリ、キレッキレの関東在住garageのトラックメイカー。
一昨年リリースの PAM! feat onjucy (Genick Remix)のスマッシュヒットが今日のbassline人気に火をつけたと言っても過言ではないでしょう。正統派のgarage bootもクールです。主催パーティーのRIPも絶好調でますます目が離せません。
fazerock
アニリミ界隈でbasslineが流行り始めるよりも以前にbasslineを精力的に制作していたのがfazerock氏。
Justice/D.A.N.C.EのRemixは必聴。
RENKA chan
先日レギュラーパーティーのアニクラキングダムにもご出演いただきました!
ありがとうございます!
バンド活動の傍らソロでのDJ活動もされるマルチなDJさん。
つい最近発表した Chelmic○の Love is Over (RENKA Chan bootleg) がとても良いので聞いてほしいです。
Rhytone
アニソンRemixとは別ベクトルですが、同人サークル明るい農村計画で活動しているトラックメイカーです。
コンスタントにコツコツとトラックをGarageやbassline houseを作っていらっしゃいます。いい曲が多いので是非。
TEMPLIME
(Flanger FX)(ネオンライトイントロ)行け行け行け行け!!行け行け行け行け!!オイオイオイオイオイ!オーーーーイ!FOOOOOO おいリワインドしろリワインド!リワインドしろ(リワインドする音)FOOOOOOO イエイエイエイエイエイFOOO パーッパパパーパッパパッパーパッパッパー(イントロ合唱)
のインターネットミームのきっかけになったネオンライトを制作したユニットです。
basslineというよりも、Future Garageに分類されるテイストが中心ですが、Basslineをやっていく以上は2Step/garage/を中心に広がるジャンルの楽曲を持っていれば流れにもバリエーションが増えると思います。
hiragi page
future bassユニット、LolicaTonicaで活動していたhiragi page氏、2017年以降は目立った活動がなかったのですが、2019年にSoundcloudにRemixがアップロードされ、Twitterでも音楽活動を再開を喜ぶ声が見受けられました。
氏も単独名義の場合はfuture garageがメインで扱うジャンルのように感じます。秦基博 「Rain」garage editがすごく爽やかで好きです。
basslineは勿論、garage/2stepの掘り下げがアニリミ現場を制す
さて、TEMPLIME氏の紹介の際にもちらっと話題に挙げましたが、そもそも論として2step/garageの派生ジャンルがbassline houseである以上、周辺ジャンルのアニリミに対する理解を深めておいた方がより柔軟な流れを組めると思います。
ここでの柔軟さというのはDJセットで流れを組む際にハードな流れを継続していくのか、トーンを抑えてソフトにいくのか、アニリミ現場固有の問題として曲かぶりを回避できるか、パワーで突破するのかという取捨選択の事です。
クラブに遊びに出たり、Twitterでサーフィン決めると何となく感じると思うんですが、今年の話で言えばBassline Houseを扱うDJがゲストとして迎えられるパーティーが数多く見られます。(私自身がベース系の音楽が好きなので、一概にそうとも言えないのかもしれませんが)
と、言うことはセットリストをbassline houseのみで固めてしまうと、他のレギュラーDJやゲストDJが自分のDJよりも出番が前だった時に他のDJが既にかけている虫食い状態に陥いるリスクが有るわけです。
アニリミシーンにおけるbassline houseの流行は(所感だけれども)2018年後半から2019年の今日に至るわずか10ヶ月の間なわけです。
従って、アニリミDJのあなたが目を皿のようにしてSoundcloudを徘徊してやっと見つけた曲があったとしても、同じくらい感度が高く、キャリアが上のDJが美味しいところを啄んであなたにブースを明け渡す可能性は十分すぎるほどあると言っていいでしょう。
パーティーの中心にbassline DJを招待する事が多いというメタな状況がある上で、bassline houseそればっかりに傾倒するのは些か配慮というか想像力が足りないと言わざるを得ません。
なので、レギュラーDJであれば、basslineへの高揚感をいかにしてもたせていくか―basslineをあえて使わずに2step/garageを中心にソフトに進行するアクトも時には必要でしょうし、逆にゲストとして呼ばれた場合、どこでBasslineをドロップするのか、自分の出演順で求められる動きは何なのか、注意深く観察しメタに対してどう張っていくかを考察する必要があるんじゃないかと提言します。
まとめ
- アニリミシーンにおける2019年の流行はBassline House
- 2Step/garageの派生ジャンルなので周辺ジャンルへの理解を深めておいたほうが状況に対応しやすい
- 好きなトラックメイカーさんをたくさん紹介させて頂きました。
こんな感じです。また与太話に付き合ってくださると嬉しいです。