性能レビュー
性能レビューではur22cの機能に関していくつかの項目に分けておすすめポイントをお伝えします。
項目は以下の通り。
- クラスを超えた音質
- ようやくUSB3.0(3.1 Gen1)対応に
- 優秀なDSPと他メーカーではありえない32bit駆動
- モノラルスイッチが付いている
- ヘッドホンアンプが強い
クラスを超えた音質
UA-55と比較すると、筐体が重たいからか、あるいは世代更新のお陰かジッター、SNノイズが更に少なくなっている印象です。
従来のオーディオIFで直面していた「サー」というノイズが明らかに少なくなっています。
当時の実売24000円のオーディオIFと比較して価格が安いのに、満足度が非常に高いです。
鳴らしてみた印象としては各種レビューで認知バイアスがかかっていますが、ローの鳴りが良く、パンチのある印象です。
ようやくUSB3.0(3.1 Gen1)対応に
これまでの楽曲制作機材の殆どがUSB 2.0でしたが、2019年リリースのオーディオIFが殆どそうであるように
UR22cもUSB3.0になりました。
USBインターフェイスの刷新によって、理論上はUSB2.0よりも更に帯域が広がり低レイテンシーになる事、
そして何より電源供給料が増えたことが一番でかいアドバンテージですね。
バスパワー駆動のものは電源が別途必要なオーディオIFよりも不利というのが通説ですが、
バズパワーに供給される電力そのものが大きくなるという事はすなわちパワーが原因の音質ロスも減るということですから。
前モデルのUR22mk2と同様にiosでの接続も引き続きサポートしているのも良いですね。
よっぽど古くなければ、接続するデバイスを選ばないというのは大きいメリットであると感じます。
優秀なDSPと他メーカーではありえない32bit駆動
DSPとはオーディオIF内に内蔵されているエフェクトをかける為のプロセッサーです。
普通はDAWやらなんかソフトを立ち上げてその中でエフェクト処理を行う、という方法を取るかと思います。
できなくはないのですが、例えばあなたがDJ配信を行っている時にソフト内でエフェクトを立ち上げると、
PCのメモリやCPUといったパワーリソースをガッツリ持っていきます。
そうすると、映像や音声が遅延したり、場合によっては止まることもあるわけです。
DSPはエフェクト処理を専門に行うICチップで、オーディオIFでエフェクト処理を行い、PCの負荷を減らすという役割を持っています。
DDJ-400を使ってエフェクトを掛けると、動作が重くなることがありますが、HIDモードでDJミキサーのBeat FXやColor FXをかけても、PCの負荷が上がらないのと同じ理屈です。
また、32bit/192khzのAD/DAコンバータがついているのも見逃せません。
あくまで数値上だけの比較で、音楽の録音と再生機能に絞って言えばDJM-900NXS2よりも録音時に音を細かく取り込むことができて、DJM-900NXS2と同じくらい繊細に再生できます。
しかも、値段は1/17という事でコスパがやばい。ただ、取り込んだデータを実際問題使うかどうかは微妙ですが。
モノラルスイッチがついた
ur22mk2からの改良点として、モノラルスイッチがつきました!!
一々DSPソフトを起動してMONOに入れなくても入力のモノラルステレオ切り替えがボタン1つでできます。逆に今までなんでなかったんだろう。
ヘッドホンアンプが強い
ur22mk2よりもヘッドホンアンプが強化されました。ハイインピーダンスヘッドホンを持っている人は安心して買い替えができるんじゃないかなと思います。
UR22cの惜しいポイント
- 重たい筐体
- バンドルソフトが歌ってみた、弾いてみた仕様
- レベルメーターがない
- ファンタムは1ch、Hi-Zは2chのみ
- 古いPC、iosデバイスだと外部電源がいる
重たい筐体
1kgと2in2outのオーディオIFにしてはかなり重たいです。手にとった感じスチールかな…。
持ち運びやiosを中心に運用を検討しているのであれば、200g軽いAG03の方が良いかもしれません。
20204月現在は配信ブームで入手困難なので、今からはおすすめしませんが。
UR22Cは持ち運び出来なくはないですが、持っていこうと思わないと持っていけない重さです。
前モデルのUR22mk2より100g落ちましたがそれでも重たいです…。
バンドルソフトが歌ってみた、弾いてみた仕様
バンドルされているDAWがCubase AI、プラグインがアンシミュという事でDJ/トラックメイカーであれば、ちょっと物足りないという印象です。
前述した通り、筐体性能に思っきり振ったという印象です。
同価格帯のフォーカスライトやSSL、Zoom、MOTUの方がおまけがずっしりしている感はありますので、ケースバイケースで選びましょう。
レベルメーターがない
かなり簡素なのでソフトウェア上で見て調整してくれって事ですね。
このあたりは好みもあると思いますが、無いよりはあったほうがいいの精神なので、32bitとトレードオフということで考えています。
Hi-Zは2chのみ
両方ともファンタム電源に接続できる一方、Hi-Zは右のLINEだけなので、コンデンサマイクを使ったデュエットはできますが、ギターやベースを同時に録音したい場合は上位機種のur44cの方が良いでしょう。
UR22cではあくまでも一例ですが「ギターとギター(ベース)の同時録音」は不可能です。
あくまでも1デバイスを1人で運用する思想ですが、UR22cに特別に課せられているデメリットというわけではなく、おおよそどのIFもそういう仕様です。
バンドもので多重録音したければ、UR44cを買いましょう。
古いPC、iosデバイスだと外部電源がいる
USB2.0で駆動させる切り替えスイッチがありますが、コレを使うとmicro bを使った5vの外部電源が必要になります。
従来機材ではUSB2.0でバスパワー駆動していたのですが、これによって良くも悪くも環境刷新を促す仕様になっています。
古いPCに接続する場合は割と注意が必要です。
総評 筐体性能に全振りした優秀なエントリーIF
とりあえずこれ1台持っていれば、音楽制作に関しては殆どなんでもできると思います。
扱いに変な癖もなく、質実剛健なので、迷ったらコレ!レベルでおすすめです。
ただ、バンドルが生音に向きすぎているので打ち込み系を使いたかったり、
Cubase以外の他のDAWを使いたかったりする場合は別メーカーの同グレードのものを購入する事をおすすめします。
購入に向いている人
購入に向いている人は以下の通りです。
- 配信も楽曲制作もしたい人
- 弾き語りが趣味
- 特にギターやベースと言った竿物をもっている
- Cubaseを使いたい人
- ボカロを作りたい人
- ヘッドホンアンプとして使いたい
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UR24CがDJ向きって書いてあるけど
ちなみに、UR22Cの上位機種でUR24Cという物が6月17日発売予定とされていますが、出力が増える事とモニタリングの際に左右に振れるようになる位の違いしか無いので、DJ機材を使ってライブパフォーマンスをする人には必要かもしれませんが、個人的にはあんまりアドバンテージを感じません。