モニタースピーカー

IK multimedia iloud mtm mk2 をDJ用に使ってみた

どうも、アヘバス管理人です。今回は高級スピーカー、iloud mtm mk2のレビューです。

音楽制作で使われている方が多いスピーカーですが、DJ用に使えるのかどうかを試していきます。

一般的ではない変態的な使い方をしてると思うので、多くの人に参考にならないと思いますが、一応残しておきます。

IK multimediaとは

イタリアのプラグイン、音響機器の製作製造を手かげる老舗のメーカーです。

かつてバンドをやっていた名残で特に同社のアンプシミュレーターであるamplitubeを使っておりました。

エミュレーションについては割と定評のあるメーカーで、音波補正や音色を実機に忠実に再現する為に力を注いでる印象です。

 

iloud mtm mk2とは

音の拘りに定評のあるIK multimediaが万を辞して発表したスピーカーが初代iloud mtm。

一般的なブックシェルフ型5インチスピーカーよりもコンパクトな筐体で100wの強力なアンプと上は20khz、下はなんと40hz(5インチで40hzが再生できるスピーカーはない)までの下に振ったレンジで音を出すというエポックメイキング的な商品でした。

そんなiloud mtmがmk2で新登場。

アンプ能率が上がったことでレンジが広くなり尚且つ、値段もペア14万がセールで10万円以下…初代のペア価格と同等の値段で入手できるタイミングがあったので購入しました。

スペックレビュー

旧mtmと比較しても寸法上の違いはありませんが、再生周波数帯が32khz〜32hzと言うことで上も下も大幅にレンジが広がりました。

候補になった他機種と比較して高音域の伸びがあまり良くなく、試聴した際にイマイチかも…となった弱点が解消され、更に低音域がさらに深く出るようになったと言うことで、個人的には家で使うあたりでこれ以上のものは必要ないかなぁと言う印象です。

また、背面のUSB端子に接続しX-monitorを使用する事でEQプリセットやスピーカーのエミュレーションなども行えると言うハイテク機能に加え、ペアモデルは付属のARCマイクでキャリブレーション設定する事で設置した部屋でフラットに鳴るように自動で調整してくれます。

場所が変わっても最適なモニター環境を素早く構築できると言う事で、プロ/セミプロにかなり寄り添った作りの品物と言う印象です。

開封の儀

今回は久々にイケベ楽器さんで購入。ダンボールもめちゃくちゃ小さいですね。

付属品は縦横設置用のスタンドが各1個ずつ、USBケーブル、電源ケーブルと3P→2P変換プラグです。

ペアで購入するとARC用のマイク、マイクケーブル、マイクホルダーがついてきます。

DTM用に購入したKRK ROKIT 5 G4とのサイズ比較。小学生と高校生くらいの体格差を感じます。

しかしながら、パワーはiloudのほうが大きいです。

5インチのブックシェルフ型スピーカーはラブリコで設置するには大きすぎる(耐荷重的には問題ないが、物体が壁から離れれば離れるほど、前に倒れようとする力が働いてラブリコ自体の耐荷重内であっても予期せぬトラブルが生まれる)ので、壁付が安心してできて、尚且つ制作にも使えるようなものとなると、実際これ一択かなと思っています。

 

 

設置について

専用ウォールマウントブラケットとラブリコ2×4アジャスターを使って天吊り仕様で設置しました。

 

ブラケットの使用感と施工についての記事はこちらからご覧いただけます。

設定について

今回はDJ機材に使用するので、音量は抵抗値を上げる+4dbに設定。

あとはキャリブレーションの前後で聴き比べてみますが、これ以降のレビューは話半分くらいで読んでください。

理由はキャリブレーション割と制約が大きいからです。

ニアフィールドモニターという事でスピーカースタンドに取り付けてデスク前に取り付けている方が一般的だと思いますが、マイクスタンドがないことに加えて、壁掛け設置をしているのキャリブレーションの制約が大きいです。

まず、付属のXLR→3.5mmケーブル長が全く足りないので、リスニングポイントを三角形の真ん中、要するにメーカーの推奨位置でキャリブレーションができません。

また、作業用デスクとDJブースを並べているので、どの道真ん中が取れないです。

ちなみに設置する書斎では吸音材等は特に使用していません。

つまり、めっちゃガバガバでキャリブレーションをするという意地悪い事をやるとどう変化するか、この一点だけで次の項をご覧いただきたいと思います。

音質について

所感

カタログスペック表記である程度分かってた事ですが音がデカい!

ニアフィールドモニターと聞いていたので、目一杯音量上げたらサブベースもようやく聞こえてくるんでしょう?とタカを括ってたんですが、無茶苦茶デカいっすね。

幼児が悪さをすると困ると言うことで6畳間の書斎に持ってきたのですが、6畳間で持て余す音量が出ました。

あと、ボリュームのカーブが結構ピーキー。

音をあげる分にはなんぼでも上がる仕様ですが、下げようとするとものすごく微調整というか気を使う感じです。

全力は試していませんが、恐らく前回レビュー記事をあげた306p mk2が出力112W、この機種は100Wなので、同等の音量が出るのではないかと思います。野外イベントやモニタースピーカーのない現場に持ち込んでモニターとして使うには十分に用が足せるでしょう。

逆に言えば、木造、鉄骨造のアパートでは持っててもしょうがないと思います。スピーカーを購入する前にRC造に吸音対策をした自室を手に入れましょう。

キャリブレーション前

音量の大きさに気遅れしながらも、リスニングでも使えそうな色気のようなものも感じる音色でした。

想像の斜め上を行く豊かな低音で、クラブミュージックを流すとプライベートクラブが瞬時に生まれます。

これまではレビュー記事で上げたJBL 306p mk2を使用していましたが、更に下を行く低音のパワーを感じます。

なので、DJで楽しく使えますが、フラットかどうかで言えば若干ドンシャリの傾向はあるかもしれません。

キャリブレーション後

正確なキャリブレーションができない為か低音がバッサリ切られてしまいました。

制作用のニアフィールドとして使用する、あるいはDJ用のブースモニターとしてはいいと思います。

ただ、お座敷DJ用のメインスピーカーとして使用するには物足りない音になります。

キャリブレーション設定を詰めればどうにかなるかも知れませんが、純正ケーブル以外で動作するかどうかという懸念もありますし、キャリブレーション前の設定で十分楽しい音が出ているので、ここで根を詰めてセットアップは私には必要ないな、という感じです。

良くも悪くも音色はしっかり変わるので、制作に使うのであれば、スタンドやデスク環境をちゃんと準備したほうがいいと思います。

総評

小型でちゃんとサブベースの帯域が出ると言う時点で唯一無二のプレミアムな製品である事は間違いなく、機能等々を加味して値付けも妥当です。

ベッドルームでは持て余しますが、持ち出して使うモニタースピーカーとしても運用するならベターなチョイスだと思います。

可能であればなるべく早いセールのタイミングで購入することをお勧めします。

2024年の年末セールの際にペア140000→95000円になりました。

消耗品費で計上できるので凄くありがたいですね。

1本当たりの価格は47500円と考えると金額だけで言えば競合はFOCALのSHAPE40ですが、あまりにも方向性が違う…カタログスペック上、万能でデジタルな魅力のiloudと感性に訴える素材の良さと中高音のラグジュアリーさで勝負するFOCALのアナログな良さだと比較ができないので、聴き比べて性に合っている方が良いかもしれません。

イマイチな点はボリュームの使用感。

無段階での調整が可能ですが、ボリュームのカーブが割とドッカンドッカンしているので、鳴らせるのは日中だけかなと思ったりします。

キャリブレーションは制作では使用したほうがいいと思いますが、DJ用途であればあえてやらなくてもいいと思います。

おまけ mirco monitor proとの違い

同社から昨年にmicro monitor proというこちらもほぼ同等機能を有していながら平常時の値段が半額の品物が発売されました。

ソフトウェア系の機能は一緒でX-monitorとARCマイクによるキャリブレーションは同等ですが、更に小型の品物になるので再生周波数が50〜22khzと旧品のiloud mtmと同じ周波数帯になり、W数も半分の50Wになります。

6畳間でDTMやDJをするのであれば、必要十分以上なスペックになるかと思います。

このメーカーは四半期に1度くらいの頻度でセールを実施するので実売価格がiloud mtm mk2と3万円程度、つまり6万円前後なら十分検討の価値があるのではないかと考えます。

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