どうも、アヘバス管理人です。
今回は前回記事に引き続いてExportmodeでDJの仕込みを行っていきます。
J-pop、アニソン向けのMemory Cueの仕込みについて解説していきます。
ちなみに2020年の8月末頃に何だか燃えた話題のようですが、あくまで私が教えやすいように書いているだけなので既出とか言われても責任の範囲外になります。
予めご了承ください。
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Rekordboxで準備する大まかな流れを把握する
- 楽曲のインポート
- 楽曲解析(こちらの記事の設定どおりに動きます)
- Rekordbox内でのプレイリスト作成
- Cue打ち
4.1Memory Cue
4.2Hot Cue - GRID操作(必要に応じて)
今回はこの中の4.1を紹介します。
Cue打ちとは
仕込みらしい仕込みと申しましたが、そもそもCue打ちとはなんぞやについて。
Cueとはそもそも合図や仕込みを意味する英単語のことで、映画撮影を題材に扱っている作品であれば、「3,2,1,キュー!」や「VTR、キュー!」と言ったりします。
あのキューの事です。
Rekordboxには3種類のCueが用意されています。※1
- Cue
- Memory Cue
- HOT Cue
この内、Memory CueとHot Cueを事前に用意することで現場でのDJプレイを楽に安定して行うために準備することをCue打ちといいます。
※1 Cueは他にもHeadphone CueやMaster Cueなどもあるが、ヘッドホン使用時に用いるCueになるので、便宜上別のものと考える。
Cueを打ち込んでいく曲
ここでは次回の記事で扱う楽曲の2つに目印を入れていきます。
前回紹介した曲を使用するので、プレイリストを作成していない方はまずはこちらを御覧ください。
注意点はルールを遵守して仕込みをする事
コレクションに楽曲がインポートできて、プレイリストの準備もできたあなた。
いよいよここから本番。仕込みらしい仕込み、Cue打ちを行っていきます。
仕込みを行う上で重要なポイントはただ1つ。
仕込みの際に必ずルールを作る。
どんなルールを採用してもいいので、必ず作ったルールを遵守するCue打ちを行いましょう。
何故ならDJという人種は酒をしこたま飲んで意識朦朧、注意散漫になっていたとしても、お客さんを盛り上げるような良いDJをしなければならないというとっても不条理な環境に身を置くからです。
なので、どれだけベロベロに疲れた時でも規則性に則ったルールでCue打ちを行っていれば、安定してミックスを行うことが出来ます。
これから紹介するCue打ちは自分ルールなので、必ずしもこのルールに沿わなくても大丈夫ですが、あくまでも私がこれがやりやすいなと思ったルールで仕込み作業をやっていきます。
- Cueを打つ際は原則タイミングを取りやすいところに打つ(頭出しを行う)
- 曲の間奏にはMemory Cueを打つ
- 表示方式は次のMEMORY CUEまで(小節数)にする
この3つです。
Cueを打つ際は原則タイミングを取りやすいところに打つ(頭出しを行う)
大原則ですが、DJはAのプレーヤーからBのプレーヤーへ、BからAへ、またAからBへと絶え間なく曲を繋ぐ行為をDJといいます。
Aのプレーヤーで流れている曲のリズムに合わせて、タイミングを見計らってBの曲を再生し、曲を切り替えてあげる必要があるわけです。
もっとも、この説明でイメージしにくいと思うので、身近なものを使って例えを出します。
皆さんは縄跳びしたことありますでしょうか?
では、縄跳びを飛ぶ時にどこでジャンプしますか?
縄が地面を打ち付けるその瞬間に飛びますよね。
DJも同じです。タイミングを取りやすい箇所はドン!ドン!という地面を鳴らすような大きなバスドラムの音になります。
この音のことをペダルを踏んで音を出すことからキックと呼びます。
今度は長縄跳びの話をします。
世の中の小学生の体育科目には長縄跳びというものがあります。
さて、ここで質問です。
長縄跳びのように回転し続ける縄跳びの中心に入るのとマリオパーティーのミニゲームみたいに最初に止まっている縄の中心に入るのとどっちが入りやすいでしょうか。
なお、ジャンプをしやすいかどうかではなく、どちらが縄の空間の中心に入りやすいと思いますか?という質問です。
断然止まっている方が簡単でしょうね。
上の動画だと小学生は高速回転している縄の中に息を切らしながら入っていますが、マリオ達はスタスタ歩いて入っていますからね。
DJも同じです。前奏が始まって2~3秒経過した途中からあわせるよりかは、曲の先頭同士を合わせたほうが確実に楽です。
もっと言うとキック自体にも先頭から後部、という概念があります。
ドン!ドン!と鳴っているドラムの音の「ド」であわせるのと「ン!」であわせるの、どっちが簡単かというと、当然「ド」です。
AとBの曲、それぞれの先頭の「ドン!」という音の「ド」を素早く再生できるように準備することを「頭出し」と言います。
Cueを打つ際は原則、この頭出しを行った状態で行います。ヘッドホンやスピーカーでキックの「ド!」をみつけてそこにCueを打っていきましょう。
ただし、これはあくまで原則です。何事にも例外はありますのでご了承下さい。
曲の間奏にはMemory Cueを打つ
さて、DJを行う際に「頭出し」が必要である、という事がわかりましたでしょうか。
ご理解いただけたと思うので、次は曲のどの部分で「頭出し」をするかについての話。
私の場合は曲の間奏、つまり歌手が歌っていない区間に頭出しを行ったCue打ちをします。
ポップスで言うところの
- 楽曲開始地点
- イントロ
- アウトロ
- 楽器ソロ
この4つにCue打ちをすることで曲の構成を視覚的に把握しやすくします。
この作業のときにはMemory Cueを使用します。実際にキラーボールにMemory Cueを打ち込んでいきましょう。
Memory Cueの打ち方
操作例を示すために楽曲開始地点にMemory Cue打ち込んでいきます。
1 まずはCue打ちを行いたいポイントを波形の真ん中にスッと通っている中心線までドラッグ&ドロップします。
2 画面左端オレンジ色の「Cue」をクリックします。
3 「Cue」を押した後に画面中央の「Memory」をクリック。成功すれば▼が付きます。
4 画像の緑枠で囲んでいる部分に▼がつくのと青枠で囲んだ「MEMORY」部分をクリックしてMemory Cueを打った部分に時間が表示されるか確認して下さい。
練習曲1の以下の箇所にMemory Cueをセットしていく
Memory Cueを画像のとおりに設定していきます。キックが見つけにくい場合は緑で囲んでいる数字を参考にして打ち込んでみて下さい。
なお、アニソンにしろJ-POPにしろ1番しか使わないので、慣れてきたらここまで丁寧につけなくていいです。
キラーボールという曲は近年のJ-POPの例に漏れず、工夫をこらした独特の構成になっています。
2小節のイントロと8小節のイントロがくっついていますので、そこは分けて捉えたほうが良いと思います。
波形の真ん中あたりの緑一色の部分は幻想即興曲のピアノソロなので繋ぎで使用することは出来ません。
練習曲2の以下の箇所にMemory Cueをセットしていく
ボカロ曲ありがちな息継ぎなし、のべつ幕なしのスタンダップスタイルなのでMemory Cueが打てる箇所は割と絞れています。
間隔が詰まっている箇所がありますが、Cメロのシンセソロに入る手前の1小節は所謂キメとかオカズと言われている箇所になり、カウントすると1小節分ズレがでてくるので、注意しましょう。
表示方式は次のMEMORY CUEまで(小節数)にする
最後のポイント。赤枠で囲んでいる「三」メニューを開き次のMEMORY CUEまで(小節数)を選択します。
MEMORY CUEを予め打ち込んでおけば耳でモニターできなくても最悪、目押しができるようになります。
これによって仕込みをしている楽曲については簡単につなぐことができるようになります。
ただし、この設定を反映するとMemory Cueのついていない曲はカウントが表示されないので注意が必要です。
まとめ
- 仕込みをしておくと安心してDJができる
- Memory Cueを使って間奏部分を囲む
- 表示形式を次のMEMORY CUEまで(小節数)に変更しておく
以上です。無事に仕込みができたらいよいよ次回から実践編です。
頑張っていきましょう。
おまけ:Perfomance modeでも仕込みはできる
今回はコントローラー使わずに仕込みを行う方法をお伝えしましたが、これらの仕込み作業はPerfomance modeでも行うことができます。
コントローラーを使いながら直感的に作業したいのであればPerfomanceに切り替えてやってみるのもいいかも知れません。