CDJ ハードウェア

cdj-3000発表。現場志向の堅実なアップデートで信頼性アップ

どうも、アヘバス管理人です。

ついに出ましたね、cdj-3000。


久しぶりの新機種という事で大変ワクワクしております。

ただ、公式ウェブサイトを見ると当然の事ではありますが、セールスポイントでとっ散らかっており、DJにとって必要な情報がまとまっておりません。

DJにとって必要な情報、変更点をまとめつつcdj-3000の特徴を皆さんと一緒にじっくり考えていきたいと思います。

 

cdj-2000nxs2からの改良点

基本的には公式サイトの情報と動画から分かっていることを述べているだけなので過度な期待はしないで下さい。

2000nxs2からの改良点は以下のとおりです。

  • MPUの性能向上
  • より詳細な波形表示
  • ボタン数の増加&高耐久化
  • タッチパネル液晶の大型化&LEDがさらに高輝度に
  • ジョグの性能向上、ならびにアートワーク表示液晶付き
  • USB、LANの高速化
  • 電源ケーブルのロック機能追加
  • カタログスペック上で音質向上
  • Serato対応予定が確約&Rekordbox6のHeardware Unlock対応

MPUの性能向上による多大な恩恵

今回の1番の目玉。

MPU基本性能が前世代機種と比較して大幅に向上しています。

前世代機でどのようなチップを搭載していたかが不明ですが、cdj-3000では2コアと4コアのARM社製Coretexが導入されております。

エントリーグレードのAndroidを動かす用のプロセッサを綺麗な音を鳴らす、素早い動作を行うためだけに使ってるので、おそらく早いでしょう。

このトピックだけで延々と話が進むのですが、他の箇所の割合もあるのでとりあえずcdjの中にスマホを突っ込んでみたくらいのノリで見ると良いと思います。なんだか凄いことができそうでしょ?

詳細な波形表示

波形DJ待望の機能が2点。

3bandEQ表示の対応とPro Linkでの波形スタック(Rekordboxのホリゾンタル)が可能になりました。

音を聞きとりづらい環境でも目視でのDJがとてもやりやすくなっています。

Pro LINKでスタック表示可能ならレコボユーザーはぶっちゃけあの煩雑なHID接続を使わなくても良くなります。かなり期待度の高い機能ですね。

ボタン数の増加と高耐久化

ボタン数が2000nxs2と比較してとても多くなっています。

HOTCUEが目玉ですが、beatjumpや8拍に対応したオートループ、keysyncが物理スイッチになった事で先代よりもより高機能になっています。

加えて高耐久化を謳っているので、CUEボタンでタイミングを取ると怒り出すマンとはサヨナラできるかも。

タッチパネル液晶の大型化& LEDがさらに高輝度に

タッチパネル液晶はなんと9インチ。

ハイエンドクラスのカーナビやipad miniくらいデカいので視野が狭くなる酔っ払いに優しいです。

また、LEDが更に光り輝くようになり、暗いところでも操作しやすくなりました。

ジョグの性能向上、ならびにアートワーク表示液晶付き

cdjでのスクラッチがさらにやりやすくなったようです。先代を踏襲し、ジョグの重さ調整も可能になっています。

加えてddj-1000でも実装されているアートワーク表示に対応。気分が上がります。BPM表示や簡易波形表示に対応しているかは動画を見る限りだと判断できませんね。

USB&LANの高速化

MPUの性能向上のお陰でHIDに関しては全DJ待望のUSB3.0対応です。

HIDモード使用時はpcスペックさえ許せばレイテンシーが更に低くなるでしょう。

また、LAN端子もgigabitになったので、export mode使用時の動作が更に軽快になりそうな予感がします。

フラッシュメモリの読み込みについてはアナウンスが特にありませんが、DJ techtools曰く、150%高速になったと報じていることから恐らくフラッシュメモリ用のA端子もアップデートが入っているはず…。

電源ケーブルのロック機能追加

Denon DJのマルチプレーヤーやミキサーには投入されていたV-ROCK機構も投入になります。

電源ケーブルが抜けて音が止まるようなアクシデントを防止する狙いですね。

カタログスペック上でも音質向上

今回のcdj-3000では96kHz32bitのフロート処理になりました。

ビット深度がより深くなり、原音に近い出力になります。DJM-V10でなくてもDJM-900nxs2であれば、最高性能を発揮できます。

スペックシート上での再生ポテンシャルは現状のcdjのもの中では最強なので、音質フリークのDJならこれ一択になりました。

Serato対応予定が確約&Rekordbox6のHardware Unlock対応

ここ最近のpioneer DJの傾向からすると珍しくはないのですが、2000nxs、2000nxs2の時には予告されなかったSerato対応予定が珍しく記載されています。

また、先代機種の2000nxs2では叶わなかったHardware Unlockが実施されており、デジタルDJにとっての普及の促進剤となっています。

まぁマッチポンプともいうんですけど。

逆に失ったもの

cdj-3000のキャッチコピー、A NEW DIMENSIONSと言う事で従来のcdjとはまた趣が異なった製品となっているようですので、こちらもまとめて紹介します。

  • 200gの重量と光学ドライブ
  • Release/Startノブ
  • Traktor Ready
  • 100ドル
  • 置き場所

200gの重量と光学ドライブ

CD/DVDスロットが廃止となり、とうとうCDがインサートできなくなりました。その代わり、先代機種から200gの軽量化です。

実際問題、光学ドライブはPCでも故障が多い箇所になっており、PCは勿論、カーナビやゲーム機などでもドライブを搭載しない機種が増えてきました。

時流としては光学ドライブは撤廃は避けて通れない道なので、いずれはこうなると思っていましたが、思ったより早い流れだと感じます。

大元のパイオニアからの供給が絶たれた、と言うよりもボタンの高耐久化に代表されるように保守費用を削減すると言う意味合いの方が強いのではないでしょうか。

Release/Startノブ

スタート時の速度を瞬間的に再生するかターンテーブルを再現したような挙動にするかを決定するリニアノブがなくなりました。まぁ、有効に使えた試しはないので、別にいいかなと感じます。

Traktor Ready

Seratoユーザーにとっては朗報でも、逆にTraktorに関してはアナウンスメントが現在ありません。

また、ALEN&HEATHが買い取りを行うという噂が流れており、DJ機材を取り巻くプラットフォーム戦略の輪から抜け出そうとしているようにも見えます。

CDJ-3000は基本機能を充実させた高機能なDJプレーヤーですが、Traktorユーザーは手放しでは喜べないようです。

100ドル

DJ techtoolsによると価格は2299ドル。

cdj-2000nxs2が2199ドルなので100ドルの値上げです。

2020/9/11にサウンドハウスでCDJ-3000の発表価格が有りました。価格は286000円。

CDスロットがなくなってなお、価格上昇。

A NEW DIMENSIONでも強気の姿勢は一向に崩れる気配がなさそうです。

置き場所

djm-V10とほぼ同じ奥行きになったので、我々から置き場所を奪っていきました。

DJ機材の常として日本市場は軽視されがちなのですが、まぁ価格上昇といい大型化、お為ごかしのようなddj-200といい日本人は足元見られてるなぁとそんな印象です。

買えないので、別にいいですけど。(すっぱい葡萄)

まとめ

ということで、アップデート内容を一通り見て行きましたがいかがでしたでしょうか。

過去のCDJと同様、一見すると保守的なアップデートに留まっているという印象ですが、恐らく現場で運用する事でしか評価が出来ないと思います。

保守の為のコストがこのいくつかのアップデートによって解消されるのであれば、値上げをしたことよりも保守点検費用が削減されて実質値下げともとれるわけで、買い替えを促す合理的な要素をこれでもかとスタックしているという印象です。

PCDJユーザー的にはMPUの性能向上でどれだけ恩恵を預かれるかですね。

先代機種に関しては異なる2つ以上のソフト(Serato→レコボやTraktor→レコボ等)を使ったHIDモード使用時にHID接続で機器認識時にエラーが発生して接続ができないというトラブルが散見されており、私も泣かされた事があります。

MPUの性能向上でソフト切り替えやモード切替がシームレスになってくれば、アップデート内容は地味でも、その実情や評価がガラッと変わってくるのではないでしょうか。

CDJ-3000、ひいては接続トラブルの起きない快適な機材環境が現場の隅々まで普及することを願いながら結びとさせていただきます。

 

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