ハードウェア

令和6年におけるdjm-900nxs2 レビュー

どうも、アヘバス管理人です。

今回はmy new gear djm-900nxs2についてのレビューです。

都内にいた頃はお世話になっていた箱でよく使わせていただいておりましたが、本当に久しぶりに触った…多分3年ぶりくらいに触ったので喜びを噛み締める為にレビューをしていきたいと思います。

1 個人所有にはオーバースペックかつ低コスパ

結論から申し上げると、2023年現在、個人所有する機材として見た時にこの機材のコスパはあまり高くありません。

ただ、これは世の中に存在するありとあらゆるDJミキサーに対して私が持っている印象です。

今から買うなら今後発売されるであろうdjm-450、750mk2の後継機、djm-s7とターンテーブルの組み合わせ、あるいはddj-flx10やxdj-rx3を購入した方が満足度が高いと予想します。

理由は4つ

  • プレーヤーを購入しなければ使えない
  • プレーヤーの中古市場が高騰
  • hardware unlocked非対応
  • タンテと組み合わせるならもっと向いてる製品がある
プレーヤーを購入しなければ使えない

厳密に言えば、ミキサーとpcのみでコントロールするのも可能ですが、基本的にこの手のものは2つ以上のプレイヤーを揃えないといわゆるDJっぽい事はできません。

遊戯王でいうところのエクゾディアデッキよりも強くてお手軽なレシピがあるのに今からエクゾディアを揃えるんですか?と言う話。

ミキサーを単品購入するよりも値段もさほど差がない、オールインワンや大型pcdjコントローラーを買った方が手っ取り早いのは確かです。

プレーヤーの中古価格が高騰している

加えて中古価格が高騰気味です。現状cdj-2000nxs2の中古相場は27万円。

中古でへたって来ているのにリリース当時の新品価格と同じ金額で流通しています。

背景にはCDJ-3000がCDの読み込みをサポートしなくなったため、CDが読み込めることに対する需要大きい事が挙げられます。

CDが読み込める最新機種のCDJ-2000nxs2は27万円前後のセミプレミア価格で取引されているそんな印象で、10万円以下で落ち着いていたCDJ-2000は中古市場から消え、2000nxsで15〜17万円で取引されているという状態になっています。

そして残念なことに現行コントローラーからすると、プレイアビリティはどうしても低くなります。

ddj-400やflx4などの入門コントローラーからのステップアップすると音は良くなりますが、プレイアビリティが下がるので、タネがゼロならやめておいた方がいいです。

hardware unlocked非対応

rekordbox6 のhardware unlockedに非対応なので、dvsで操作するためにはcore plan以上のサブスクに加入するか、hardware unlockedに対応した機材を接続するか、別メーカーのソフトを使用するかになります。

今はお金が足りないけどゆくゆくはhardware unlockedでrekordboxでdvsやhidでリッチな練習環境を…!と思っている方はdjm-450やdjm-750mk2、同価格帯ならdjm-s7の方が幸せになれる可能性が高いです。

タンテと組み合わせるならもっと向いている機種がある

ターンテーブルを使ってアナログ音源を高音質で再生や録音がしたいと言う願望があるのであれば、djm-750mk2の方が良いA/Dコンバータ(900nxs2は24bit)を積んでいるので、理論上は750mk2の方が安くて良い音が出ます。

また、バトル向けスタイルならdjm-s7も多機能で必要充分だったり、あるいはraneやreloopといったserato用ミキサーの方がソフトウェアの適正で軍配が上がります。

前述のhardware unlockedの兼ね合いもあるので、積極的に900nxs2を今から選ぶ理由はないかなと言う印象です。

向いている人間は地方でオーガナイザーやお店やってる人だけなんちゃうかなぁと思います。

djm-900nxs2の良いところ

冒頭でクサしまくってなんだか気分悪いわぁと思った皆さん、安心してください。

色々言うてますけど、結局購入して使っているわけですから、ミキサー自体の利点がないわけではないんです。

900nxs2の利点は以下の通りです。

  • 4ch全てでphono/デジタル接続が可能
  • a9と比較して設置がしやすい
  • 2つのUSB-B端子で転換が楽
  • usb-send/return対応
  • 帯域毎に分けてかけられるFX
  • 前作と比較してフェーダー/EQが良い
  • 音質が今風に
4ch全てでphono接続が可能

phono/line/デジタル接続が全chで使用可能な点。

旧フラッグシップの900nxsはphonoが1ch/4chのみでしたので、やるかどうかは別として、ターンテーブル4枚使いができるようになった事はメリットになります。

あとは単純に接続チャンネルが自由になったので、レイアウトや当日の出演者の機材によって優先順を接続チャンネルを変更できるのは900nxsからするととても良い方向のアップデートであったと感じます。

なお、750mk2とa9でも同様の仕様を踏襲しているので、特筆すべき仕様ではないかなぁと思います。

2つのUSB端子があるので転換が楽

旧機種の900nxsや750mk2と比較するとUSB-B端子が2つついており、転換がしやすくなっております。

また、Traktor、SeratoといったメジャーソフトもUSB接続で制御ができること、2000nxs2以降の機種であればLANハブでまとめると1本挿しで動作するなど、HID周りが大変ラグジュアリーになっています。

なお、A9は同様の特徴がある上にHardware Unlocked対応機種なので優れているわけではありません。

a9と比較して設置しやすい

後継機種のdjm-a9と比較してコンパクトなので設置がしやすいです。機材持ち込みや野外でイベントする機会が多いのであれば、コンパクトなこちらの方が分がある場合があります。個人的には価格は減価償却や使う頻度を考えれば高くなったとはいえあまり問題ではないのですが、クラブや会場に持ち込む関係があるので、何者にも代えがたいメリットがあるとしたらここなのかなと思います。

USB send/return対応

USBを使用したsend/returnに対応しています。ipadのRMX-1000を使えるのでテクノDJやシーケンサー制御をやるタイプのDJなら上手く使うとライブ感が増すのではないでしょうか。

また、iphone、ipadを有線接続すれば空きチャンネルから音を流すこともできます。

A9でも同様の動作は行えるはずですし、bluetooth接続で音楽が流せる関係上、特筆して優れているわけではないですがA9よりも転換周りでできることが少ないわけですから、こういった小技は把握しておくべきでしょう。

帯域毎に分けてかけられるbeatFX

900nxsと比較して良いところの1つ、高音、中音、低音と帯域毎に分けてかけられるbeatFX。

echoを高音と中音だけかけてショートミックスとかslip/rollを低音と高音だけかけるとか応用技は色々ありそうです。

750mk2も同様に帯域毎に分けてかけることはできますが、SLIP ROLLとHELYXそして、指で触れるだけでGATE動作が可能なX-PADは900nxs2でしか使えないので、バイナルの音質よりもFXを重視するのであれば900nxs2、どっちも大事やと思うならA9にするべきでしょう。

 

前作と比較して操作感の良いEQとフェーダー

900nxsと比較するとかなり操作感が良くなっています。

EQノブにしても縦フェーダーも前作機種では感じなかったトルク感があり、比較して重厚な触り心地になっております。

また、EQ/フェーダー共にリニアな曲線になっており、自分が思い描いた通りのカーブを描いてくれます。900nxsのもっとこうなってくれたらいいのに…!が、結実した結果になっているかと思います。

なお、750mk2も同様のカーブになっているので使い心地だけで言えばあまり変わらないです。A9はものすごく良くなっていると聞いています。

音質が今風に

旧900nxsと比較してパーツ類が刷新され、音質が今風になりました。

主観でしかありませんが、原音忠実に再生する900nxsからコンプ感の効いたミチミチっとしたサウンド、各帯域の音を限界まで詰めましたみたいな出音になってます。

アメコミのような太い線でしっかりと書き分けがされていてメリハリのある音、そんな印象です。

良くも悪くも2000年代ほ技術ってあれもこれも全て表現してこそ再生機器の技術力の証明みたいなところだったと思うのですが、評価基軸が900nxs2になってから方向転換したなと言う印象があります。

私自身は雑な耳なのでこれくらいハッキリしてる方が好みのような気がします。

ハイレゾ出力対応

ハイレゾ出力に対応している為ホームオーディオを揃えているDJにとっては嬉しい仕様となっています。

ただし、ハイレゾ音源を再生するの為のハードルが非常に高いです。

光出力に対応したプレーヤーでデジタル接続して、尚且つハイレゾ出力対応のスピーカーを購入という事で、中古の2000nxs2とセットで100万円コースです。

ハイレゾに関して言えば人間の可聴域の関係と、民家で出せる音量の兼ね合い、レコードを使った方が理論上良い音が出る事から個人的にはあまり重要なファクターではありません。

ホームオーディオを極めるのであるならば、そもそも論としてDJ機材を選ばないので、ポテンシャルの披露程度に考えておいた方がいいと思います。

総評

ハードウェア自体は癖がなく扱いやすい優等生タイプです。

ですが、パイオニアミキサーの評価基軸はソフトウェアとの連携してにあると私は感じています。

音の評判で言えばmodel1、アレン&ヒース、DSC、これらのミキサーと音質面で対等に渡り合えるかといえば、正直壁があるんじゃないかなと思います。

一方でハードウェアとしての一定の結論を出したとしても、型落ちなのに値段が下がらず、a/dコンバータの性能は750mk2より劣っている点、rekordbox6の hardware unlockedから除外され、あまつさえ販売時には相次ぐ値上げで、中古市場でも余波が続いており、立ち位置が非常に不安定です。

過去ポストで申し上げた相場観で言えば、現状の相場観でのコスパは低いですが、価格がこなれて安くなればなるほど求められる機材であることは間違いありません。ソフトウェア連携の総合点とハードウェアの素直さは曇ったりしないので選ぶ価値が現れます。

現状としては政治やマーケティングによって割りを食ってきたと言わざるを得ない為、ストップ高の評価になってしまうと言えるでしょう。

誰がこの機種を買うべきか

首都圏以外の地方オーガナイザーでアッパー志向があるなら検討に値すると思います。

ただし、例えば、EQのかかり方が今まで使っていたミキサーとなんか違うかもしれない、フェーダーの触り心地が違うかもとか、あるいはUSB-Bが2つついていて、転換が楽そうとかそう言うことが直感的に分からない面子にこれを与えても全くありがたみが無いのも事実です。

仲間やシーンの成熟度に合わせて900nxsか、900nxs2かを検討するべきであると言えます。そう言う点では、相場観で言えば10万円以上安い900nxsを買った方が現状はお買い得だったりとかはあると思います。

オーガナイザーに勧める理由は別記事にまとめます。

おわりに

フラッグシップと言われている通り万人に使いやすい操作感はハードウェア単体で見た時に不足があると感じる点はありません。

ソフトウェア面もHardware Unlockedから除外されていることを除けば、十分にモダンだと感じます。

ただし、繰り返しにはなりますが、今後レガシーシステムとして取り残されていく事は明白なこと、加えて事業部門の買収といった政治やマーケティングの不安定さが悪目立ちしているな、という印象が強く25万円前後で推移している相場感は需要過多な印象です。

ソフトウェアシステムとして見た時にHardware Unlockedの関係でプアーな印象が強く、ハードウェアのバックアップ体制…部品供給や修理受付といったところも製造終了から8年後には製品サポートの一切を受け付けないと明記していることから旬みたいなものは以前よりも短く感じますね。

しかしながら、従来機種に近い大きさで可搬性と耐久性を兼ね備えており、どんなPCDJ環境も受け入れてくれるDJミキサーはこれしかないので、力点がはっきりしているなら買ってもいいのかなぁと思いました。

オーナーになってからの感想はa9よりかはこなれた価格で、持て余さない高機能なので、本当ちょうどいいです。

a9の所感を述べた際に900nxs2くらいの高機能なコンパクト4chミキサーが出てくれたらなぁみたいな話はしましたが、実際問題900nxs2くらいの高機能でディスコン後もバックアップ体制が整うようなプロダクトをホームユースの価格に落とし込もうとするのであれば、今の10倍くらいのDJの人口が多くて、もっと競争が起こっていかないとそうはならないので、pionnerでどうこうできる問題ではないのも確かです。

過熱気味の需要が何らかの形で解消されて、価格がもっと手頃になれば万人に勧められるミキサーになるなと思います。

 

 

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