ターンテーブル 中級者向け

2019年ターンテーブルの選び方

どうも、アヘバス管理人です。

前回ポストでSL-1200mk7の説明会が行われるということで興味がある人は行ってみたらいいのではないかという話をしました。

そこで、今回の記事はこれを機会にデジタルDJにとって縁遠い存在、ターンテーブルの魅力、そしてタンテを選ぶ際のポイントについて軽く触れておこうと思います。

結論を書いておくと、早期の上達を狙うのであればSL-1200mk7、安く済ませたいなら状態の良いSL-1200mk5、mk5Gじゃないかなと思っています。

ターンテーブルを購入するメリット・デメリットは過去記事を参照

以前ポストしたDJスタイルの解説でターンテーブルDJについても記述をしていますので、暇な方は読んでください。

ターンテーブル≠レコードプレーヤー

まず最初にレコードプレーヤーとターンテーブルは違うものであると定義をしたいです。ざっくり説明すると、DJプレイにおいて必要な機能を強化したレコードプレーヤーの事をターンテーブルといいます。

通常のレコードプレーヤーとの違いは以下の4点

  • ピッチの変更ができる
  • 重量増加等によるノイズ、ハウリング耐性の強化
  • 強力なモーターを使用することでしか得られないスタート/ブレーキ機能
  • ダイレクトドライブによるスクラッチプレイの可否

以上の特徴がDJ向けに特化されたターンテーブルならではの機能になります。

ピッチの変更ができる

CDJやPCDJコントローラーでおなじみのピッチフェーダー。DJミックスのための必須機能なので、DJ用のターンテーブルにも搭載されていますが、再生機能に特化したレコードプレーヤーには必要のない機能なのでついていない事がほとんどです。

重量増加によるノイズ、ハウリング耐性の強化

通常のレコードプレーヤーとターンテーブルを比較すると基本的にはターンテーブルのほうが必要以上に重たくなります。

重量を増加させることで、群衆がフロアで飛んだり跳ねたりしてもアームや本体が揺れて針が飛ぶといったトラブルでDJプレイに支障をきたさないようにするための配慮がされています。また、一部機種ではレコードの音を読み取るトーンアームがスピーカーから轟く音で振動を拾わないようなノイズ対策がされているのも1つの大きな特徴です。

強力なモーターを使用することでしか得られないスタート/ブレーキ機能

レコードプレーヤーと比べてかなり強力なモーターが搭載されており、これによってスタートブレーキ機能が通常のプレーヤーよりも強化されています。

ダイレクトドライブによるスクラッチプレイの可否

レコードプレーヤーの駆動方式にはベルトドライブとダイレクトドライブ(以下DD)の2種類が存在します。

ベルトドライブは駆動するモーターとレコードを回転させるプラッターをベルトで結び、回転させるという方式です。自転車のチェーンを想像すると大体あってます。

駆動が静かでなめらかというメリットがある一方、回転精度が欠けやすかったり、スクラッチに必要なトルクを得にくいというデメリットもあります。

一方でターンテーブルのほとんど全ての機種がDDです。ベルトとは違ってプラッターとモーターが直結されておりトルクが得やすく回転精度を保ちやすいというメリットがあります。デメリットは専用技術が必要なので高価になりやすい事です。

以上のことからターンテーブルとレコードプレーヤーは姿形は似ていたとしても全く違うカテゴリの製品であることから今回レコードプレーヤーの紹介はほとんどしません。

2019年のターンテーブル事情

タンテとレコードプレーヤーの違いがわかったところでそろそろ本題。

我々、PCDJユーザーが今からターンテーブルを購入するとして取れる選択肢は3つあります。

  • 中古のSL-1200
  • 新型のSL-1200mk7
  • PLX-1000等のハンピンターンテーブル

この3種類の中から選べば比較的後悔が少ないのではないかと考えます。

SL-1200って何だ?

そもそもSL-1200とはなんぞやと思う方もいるはずなので、ターンテーブルを語る上で外せないSL-1200について。

SL-1200とはパナソニック傘下の高級オーディオブランド、Technics(テクニクス)より発売されているターンテーブルの王様です。

2010年、SL-1200mk6をもって一旦開発・販売が中止されたのですが、昨今のアナログレコードブームの復興ならびに、世界のDJからの熱烈なラブコールによって2016年にHi-Fi仕様の高級タイプが復活。そして2019年、満を持して民生用ならびにプロDJ向けのモデルSL-1200mk7が発売されました。

これまでmk7ということで初代から換算して7回のマイナーチェンジが行われており、現在でもSL-1200mk3~mk6Gまでのほとんど全てのバージョンが大体のクラブで採用されています。

中古のSL-1200を導入するメリット/デメリット

特筆すべきメリットは以下の2点。

  • 玉数が豊富で安価
  • パイオニアのCDJと同じくらいのレベルで会場の常設機材

玉数が豊富で安価

中古でも信じられないくらい数の規模で流通しており、今も尚現役の品が多いです。

中古品でのやり取りになるので、流石に目利きスキルが必要になりますが、年月が経っているにも関わらず完動品としてこれだけ流通しているターンテーブルは多分SL-1200以外にないんじゃないかなと思います。

中古なので、勿論新品で買うよりは値段が下がります。状態の善し悪しを差し引いても1台3万円~5万円程度でのやりとりになるので、タンテ導入のハードルはぐっと下がります。

パイオニアのCDJと同じくらいのレベルで会場の常設機材

パイオニアのCDJが時々DENONとかGEMINIとかの場合はあってもターンテーブルは基本的にSL-1200のどれかになります。

機材の入れ替えがあった一部の最新クラブではパイオニアのPLX-1000の場合があったりしますが、大体の現場ではmk7以前のモデルが導入されています。従って、自宅でmk7で導入するよりはよく言えば更に現場向けのチョイスとも言えるわけです。

デメリットは以下の2点

  • 状態の判断が難しく、場合によっては安物買いの銭失いとなる
  • モーター性能が明らかに劣る為、各種技量の習得が遅くなる可能性

状態の判断が難しく、場合によっては安物買いの銭失いとなる

ハードオフや楽器店と行った実店舗で購入ならまだしも、メルカリやヤフオク、インターネットショッピングだとそもそも状態把握が難しいです。

中古のSL-1200を購入する場合、トーンアームがちゃんと音を拾うか、プラッタの回転よれ、ピッチフェーダーの動作の正確性、ケーブルの状態などチェックするべきポイントはいくつもあるのですが、チェックができないと買うのが難しいのが実情です。

モーター性能が明らかに劣る為、各種技量の習得が遅くなる可能性

後述するSL-1200mk7やハンピン製ターンテーブルと比較するとどうしてもモーターのトルクが弱いです。理論値はパイオニアDJのエントリー向けターンテーブル、PLX-500と同じになるのでやってできなくはないが、スクラッチ習得には時間がかかるかもしれないです。

昔から活動しているDJがSL-1200でやって来たからできないわけではないとは思いますが。

SL-1200mk7とは?

mk6Gの生産終了から待つこと9年、満を持してTechnicsから発売されたSL-1200の最新版です。

メリットはTechnicsの最新機種ということで、基本性能がかなり高いです。

一番の売りはコアレスモーターを搭載したダイレクトドライブだそうで、今までのターンテーブルと比較してコギングと呼ばれる回転ヨレの発生が抑制されていることです。

デメリットはDJモデルの中ではちょっと高め。

1台税込み97000円することです。

多分どこで購入してもディスカウントが効かないタイプの品物になるので、結構覚悟がないと購入は難しいかなと感じます。

ハンピンとは

ハンピンとは、台湾に拠点を置くハンピン電子の事。

Technicsを除く世界中のほとんどのターンテーブルはこの会社の工場で作られています。

パイオニアDJ、DENON、Reloop、Stanton等、DJ機器メーカー各社から発売されている、SL-1200のクローンモデル製品はメーカー毎に仕様が微妙に異なりますが、基本的な機能の殆どは一緒です。

ピッチ可変幅が最大で±50%、LINE入力が可能でダイレクトドライブであり、レイアウトデザインとしてSL-1200を継承している、という点です。

メリットは新品のTechnicsよりも重量や理論値では優れており、価格が安いことです。

デメリットはこれらのタンテがリリースされてから時間が間もないため、スポンサー記事以外にユーザーの声が聞きにくいこと、つまり、購買に至るだけの情報が少ないです。

Technicsよりは安いと行っても最低価格でStantonの ST150mk2の5万円からスタートですから買い物も慎重にもなりますでしょう。

 

どれを買えばいいのか

予算が許すのであればSL-1200mk7です。駄目なら中古のSL-1200でしょう。

ターンテーブルを購入したくて色々なDJに聞いて回っていますが、クローンモデルを激推しするDJというのがまずいません。

状態の目利きが難しい現状、まぁクローンモデルもこの値段なら買っても悪くないかな、という事で導入している方が多く見られる印象でした。本家が復活した現在ならお試しでターンテーブルを導入するなら中古のSL-1200で間に合うし、真剣に向き合いたいのであればSL-1200mk7だろうというのが現時点での評価です。引っ越しが済んだら、タンテを導入したいと思いました。

まとめ

  • タンテとレコードプレーヤーは違うもの
  • タンテには2種類ある。SL-1200かそれ以外か
  • 買うなら中古のSL-1200、もしくはmk7ではないかと思う

以上です。無駄話に付き合っていただいてありがとうございます。

 

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