ヘッドホン

HDJ-CX レビュー

どうも、アヘバス管理人です。

久々のmy new gear…今回はオンイヤータイプのヘッドホン、pioneer djのhdj-cxをレビューしていきたいと思います。

HDJ-CXとは

圧倒的な軽さと耐久性を兼ね備えたオンイヤー型プロフェッショナル DJヘッドホン「HDJ-CX」は、ミニマルでスタイリッシュなデザインと着けていることを忘れるほど快適な装着感を両立し、さらに音量の大きい環境でのミックスとモニタリングに適した、タイトでワイドレンジなサウンドと高い遮音性を実現しました。

https://www.pioneerdj.com/ja-jp/product/headphones/hdj-cx/black/overview/

と、言う事でミニマルデザインのオンイヤータイプのヘッドホンということを強調してますが、まぁ誰がどう見てもHD25のオマージュですね。

こうした一連のHD25ライクなヘッドホンをHD25クローンと勝手に呼んでいます。

クローンの定義については長くなりそうなので別記事に書いています。

HD25のレビューも別記事に書いていますのでよかったらご覧ください。

と、言う事でリファレンス元のHD25と比較をしながら、レビューを行っていきます。

1 開封の儀

マット塗装の化粧箱です。

HDJ-CX外箱

まぁ流行り廃りがあるのですが、個人的にはパッケージングよりも価格に転嫁して欲しいタイプなので、茶色い段ボールでええんやでと思ったり。

HDJ-CX付属品

付属品は3.5mmストレートコード、カールコード、替えのイヤーパッド、プラグホルダーです。

 

ケーブルに関してはよくある2.5mmバヨネットロックタイプになりますので、少なくともath-m50xと互換性がありますが、あくまで刺せると言うだけで不恰好になるのであまりおすすめできません。

HDJ-CUE1と互換があれば緑のケーブルにしたいかなぁと思っています。

ヘッドホンポーチはありません。

持ち運びの際にどうしても気になる人は社外品のものがいくつか出ているので購入しましょう。

スペック

重量

重さについてですが、HDJ-CXは136g。HD25よりも軽いです。

しかし、1.5mのストレートコードを装着しているHD25が166gなので、乗り換えたとしても違和感が強く出るような重量ではないかなと感じます。

出力特性

令和に入って出た機種ということもあり、HD25よりも数字上、優れた音響特性になっています。

HDJ-CXのカタログスペックはダイナミックレンジが5hz〜30000hz。

44100hz以上の高音域は出ないので、ハイレゾ非対応ですが、寛いで使用する事を想定していないので特にマイナスポイントではありませんね。

HD25の16hz〜22000と比較して上から下までの情報量が広いです。

一方で、インピーダンスは32Ωと言うことで、ポータブルでも鳴らせる低い数値となっています。

ath-m50x(36Ω)と比較してやや低め、HD25(70Ω)の半分以下となりますので、ポータブルで使用する際はバッテリーに優しいと言えるでしょう。

なお、HD25ハウジングをそのままにドライバーをポータブルに最適化したamperiorは16Ω。

加えて同社のHDJ-X10も32Ωと言うことを鑑みると、少なくともdjm-900nxs2以降のpioneer dj 製ミキサーに接続する際の電気抵抗はこんなもんで大丈夫なんですよ、と言う担保になっているとも言えるかも知れません。

ミルスペック認証

なお、HDJ-CXの本体はミルスペックという事で多少のラフな扱いでも耐えうるとの事です。とはいえ、何の認証も持っていないHD25もかなり頑丈なので、認証をとったから頑丈だ、という認識は改めた方が良いと思います。

ミルスペックについての考察をまとめている記事を出しているので、気になる人は読んでみて下さい。

音質

HD25 aluminumをこれまで使ってきていましたが、ほぼ変わらない、と言う印象です。

無印HD25と比較すると大きな違いは以下の3点になります。

  • モニターライクな解像度
  • 硬質なサウンドキャラ
  • タイトな低音
モニターライクな解像度

ダイナミックレンジの関係上、上から下まで分離感があるように感じます。

HD25よりも各パートが捉えやすく、そう言った点ではよりモダンなアプローチなのかなと言う印象です。

硬質なサウンド

HD25 aluminumと比較して遜色がないと表現しましたが、無印HD25と比較するとクールでソリッドな音色になっています。

とは言え、HD25自体が別にウォーミーではないのですが、分離感の良さが先行してやってくるので、言葉を選ばずに言えば前のめり気味なHD25に対して一歩離れているように聞こえる、だから、何となくクールな印象を受けるという感じでしょうか。

方向性は一緒なんですが、距離感を感じる、とはいえ相対比較してどうかと言うレベルの差異です。

なんならいっそこの文書を読んでのバイアスは受けないほうがいいレベルの話ですね。

タイトな低音

前述のウォームかクールかと言うキャラクターの話とはひとまず置いておいてタイトな低音です。

HD25もそうですが、キックのアタックが鋭く、ボワついて聞こえないのでとてもモニタリングがしやすいと感じます。

外観、ユーティリティー面

明らかにHD25を意識している見た目ですが、後発品ということであらゆる点で一歩先を行っている印象です。

機能としてはHD25をモダナイズした印象が強いと思うのですが、モダナイズというのが何を指しているのかと言うことを含めてレビューをしていきたいと思います。

HD25と相対比較して以下の5点について記述します。

  • 左出しのケーブル
  • 左右のハウジングがフレキシブルに稼働
  • 分解交換できる箇所が少ない
  • ヘッドバンドが1ピース
  • プラグアダプターが凄まじく便利
左出しケーブル

最高ポイントその1

DJミキサーのイヤホンジャックのほとんどが左側に配置されている為、ブース内での移動がスムーズにできます。

とは言え、pioneer DJの最新ミキサー、djm-a9は右側にもイヤホンジャックがついている為、年月が経過するごとに明確なアドバンテージとは言えなくなるかもしれませんが、それにしても古い機材はジャックが左のみである事に加え、私自身がDJ中けっこう動くので、ケーブルが絡まりづらい点は肉体言語話者にとってはありがたい話ですね。

左右のハウジングがフレキシブルに稼働

最高ポイントその2

HDJ-CX 可動域

両耳とも180度の可動式になっており、スピーカー位置や利き耳に囚われずどちらでも片耳モニターが可能になります。

HD25は右側だけハウジングが固定式になっており、リプレイスメントパーツを用いないとスイベル機構を追加できない注意点があります。

また、HDJ-CXのハウジングの稼働のしやすさはコインやマイナスドライバーでトルクの調整ができるようになっており、このあたりの使い勝手は流石現場のニーズを汲み取ることに長けたpionner djだなというふうに感じました。

分解交換できる箇所が少ない

音楽雑誌 サウンドレコーディングで掲載された大沢伸一氏と対談形式で掲載されたPR記事において、分解できる箇所はケーブルとイヤーパッドのみとの記述があります。

業務用かつパーツ群の適宜調達で運用の連続性を担保しているHD25とは明らかに違う思想ですね。

実際問題、現場でヘッドホンが壊れてしまったら、なんとか出来る対処はは他人のヘッドホンかケーブルを借りるくらいなのである意味合理的と言ってもいいでしょう。

ヘッドバンドが1ピース

HD25の特徴と言えば左右に開くヘッドバンド。

頭部に固定して動いても装着位置を保つ効果があります。

しかし、DJ行為の性質上、モニタリングの度にヘッドホン事着脱を繰り返す為、評価対象外の機能になるかなという印象です。

側圧に関しては1ピースだろうが2ピースだろうがあまり違いはありません。むしろ、1ピースバンドのHDJ-CXのほうが使い込んだHD25のような柔らかさやしなやかさがあるように感じており、メガネをかけてる人にも優しいかなという印象です。

プラグアダプターが凄まじく便利

前述の最高ポイントを激しく上回る神ポイント。

HDJ-CXプラグアダプター

標準ヘッドホンプラグを保持できるプラグアダプターがついてきます。

ボールペンの蓋みたいなクリック感があり、ガッチリとロックできるようになっております。

これでもうあの小さいやつを無くしたり、家に忘れて買い足したり、メソメソと共演DJに貸してくれと頼むことから開放される…。

結論 モダナイズされたHD25クローンの最新版

と、言う事でHDJ-CXをレビューするためにHD25と詳細比較をしてきました。

アプローチでメガネ派に優しいHD25クローンという事で細かいユーティリティ面で気が効いている点でモダナイズされたHD25と表現しました。

VCI-100に対するDDJ-SB、SL-1200に対してのplx-1000といった後発製品でオリジナルが抱えていた課題を解決を目指し、数々の良品を生み出してきたプロダクトのアウトプットはヘッドホンの分野でも如何なく発揮されたと言えるでしょう。

ただ、余りにもリスペクトが高過ぎて出音の傾向はほぼ同じ、スペック上の優位性はあるものの、HD25と比較して差が非常に少ないという印象です。

音質レビューでは注意深く聞かなければ感じ取ることができなかった差異でしかなく、この程度の差であれば、音質面でのアドバンテージが互いに存在しないと言えると考えます。特に現場で使っている時なんて大抵酔っ払ってて、感じ方も大味になっていますからね。

最終的に選ぶポイントは金額に成るかなと思いつつ記事執筆の開始したのですが、2024年11月時点で円安が進行し、新品価格がHDJ-CXと金額でイーブンになってしまいました。

なので、新品にこだわるのであればユーティリティに分があるHDJ-CXをおすすめします。とはいえ、かつてはHD25は15,000円台で購入できていましたので、安く放出されているものもあることでしょう。

従って選び方としては、リケーブルやカスタムで好みの音にしたいニーズを持っている方、あるいはスターDJと同じ機材で歴史の風を感じたい方、中古でぐっと値が落ちたものを狙っている方はHD25、機能面に妥協したくないのであればユーティリティ面に優れたHDJ-CXと言ったところでしょう。

個人的には、カスタムに興味がないのであれば、実際の使用シチュエーションに基いたかなり現場向けのアップデートが施された使い勝手の良いHDJ-CXをおすすめします。HD25aluminiumから価格的にはダウングレードしましたが、不満点がほとんど改善されてとても気持ちよくDJできています。

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