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ヘッドホンレビュー ATH-m50x

my new gear…

どうもアヘバス管理人です。

今回はヘッドホンレビュー。

予算別おすすめ機種の投稿でもお伝えしましたとおり、オーディオテクニカのATH-m50xについてのレビュー記事です。

ATH-m50xとは

モニターヘッドホン、ATH-m50の年次改良モデルです。

前モデルのATH-m50に私自身が興味を示していなかったこともあり、試聴をしたものの前モデルのインプレッションは正直覚えていないです。

と、言うのもこの手のDTMモニターヘッドホンはSONYのプロフェッショナルラインから出ているMDR-CD900STに関してのレビュー、続いてはAKGから発売されている K240 mk2 ここら辺りがモニターヘッドホンのスタンダードであり、DJヘッドホンであれば同社の製品であればATH-PRO500mk2/700mk2やPioneer HDJ-1500の方が現場採用率が高かったと思います。

と、言うことで非常に地味なモデルだったのですが、年次改定でATH-m50xになったあたりから、人気が徐々に出てきたような気がします。

改良点は

  • リケーブルに対応した
  • ハウジングのパッドが新素材になった

以外はスペック的には周波数レンジもドライバサイズも変わらないですが、フィーリングは恐らく変わっているのでしょう。
前モデルとの純粋な比較はできませんがDJミックスを行って当該製品にどんな特徴が兼ね備わっているのかを考察していきたいと思います。

開封の儀

今どきなシンプルなお化粧箱
ハウジングのデザインがいかにもな感じでかっこいい
中心部をパカっと開くと各種リケーブルコードが
メタルバンドで耐久性もありそう

レビューを読む前に共有しておきたいモニターヘッドホンの話

そもそも、モニターヘッドホンとは、という話。

通常トラックメイクに置いては楽曲を録音し、パート毎に録音した楽曲を1つの楽曲データにまとめる作業をミキシング、ミキシングした楽曲をアルバム毎に整えていく作業をマスタリングと言います。

モニターヘッドホンとは、リスニング用のヘッドホンよりも定位やエフェクトの効き方を確認するヘッドホンであり、スピーカーでは分かりづらい部分を調整していくために使われる製品群になります。

モニターヘッドホンといえば、前述の通りMDR-CD900STが定番中の定番であり、インターネットの各種サイトでも書籍でも必ずおすすめされるヘッドホンです。

従って、モニターヘッドホンといえば、これというモデルであるMDR-CD900STこそがモニターヘッドホンのスタンダードだという風潮は今に始まったわけことではないですが、端的に以下のような特徴があります。

  • ボーカルや楽器隊の位置(定位)がわかりやすい
  • キツい高音、スカスカな低音

従来のモニターヘッドホンは割とこの傾向が強く、聞いていて音楽的発見はあるものの、サウンドとしての面白さはスポイルされるそんな印象です。

これを念頭に置いてATH-m50xを視聴すると、本当にモニターヘッドホンなのかと頭の中で疑問符が駆け巡るレベルで豊かでクリアな再生環境が得られます。

ATH-m50xの音質傾向

と、いうことで従来型のモニターヘッドホンの特徴は定位がわかりやすい代わりに低音が物足りないという特徴があります。

しかし、今回紹介するATH-m50xはドンシャリと錯覚するレベルで豊かな低音を発する珍しいタイプであると感じます。

かといってドンシャリ(楽曲パートの中でも特に高音と低音が増幅された特性)というわけでもなく、適度な分離感を持ちながらもどの帯域もまんべんなく再生してくれます

オーディオテクニカっぽいと感じられる特徴的なハイとミッドは勿論健在。

低域に元気が出ても、オーテクといえば、あーこの感じだ、と思えるような輪郭がシャープなサウンドを体験することができます。

また、これらのサウンドが分離感を伴って聞こえるのもこのヘッドホンをおすすめするポイント。

と、いうのもそれぞれの音域の主張が強いとどうしてもごちゃごちゃとして聞きづらいという事があると思いますが、モニターヘッドホンと言われるだけあって各パート毎の音の聞き分けができるレベルで分離感が際立っていると感じます。

鑑賞にも耐えうるが、逆説的に言えばモニター的な優等生サウンドからは抜け出せない

モニターヘッドホンというカテゴリでDJ用途にも耐えうる強いローを出しているのですが、良くも悪くも優等生的な出音になるので、ベース・ミュージック、ロック、ローファイ系のジャンルに関してはHD25等の所謂ドンシャリ型に軍配が上がります。

出自がスタジオモニターということもあって、マッシブな感じの音楽もどことなくシェイプアップされたように聞こる事はモニターとして優秀な証拠ではあるのですが、クラブミュージック観賞用とした場合はやや物足りなさを感じます。

悪いわけではないですが、ベースやローファイを中心にDJするのであればわざわざ選ばなくてもいいかなという感じです。

使うべき対象者 ポップDJ/DTMer

さて、上記の特徴を踏まえた上でこのヘッドホンの特性が最も活かせるのはアニソンDJやアイドルDJといったサブカル系統のDJ、DTMerと兼業のDJだと思います。

と、いうの現代ポップスに関しては細分化が進んでおり、ジャンルに関しては打ち出している方向がグループや歌手毎に変わってくるのですが、アンセムになる楽曲の傾向としては

  • バッキバキのエレクトロサウンド、所謂EDM系
  • メタル系のハードロックサウンド
  • 多重にかけられたストリングスやシンセに8ビート、所謂電波系、A-pop

BPM帯も出自も全く異なりますが、いずれもBPMの大元になったカルチャーよりも音数が多い事が大きな特徴です。

さて、こういう中で波形情報を見ずにビートを構成するキックやハイハットを聞き分けるためには音場が狭いが、キックやハットが見つけやすいように強調されたヘッドホン――つまり前述したドンシャリ型か、分離感があって各パートが聞き分けられるヘッドホンかのどちらかが適当であると感じます。

ドンシャリ型のヘッドホンでも頭出しやテンポ合わせは十分できると思いますが、2000年以降の楽曲をポップ・アイドル楽曲を扱うのであれば、オーディオテクニカが長い企業努力の中で培ってきた中高音のリッチな帯域をスポイルすることなく伝えてくれる本機種がマストではないかと感じます。

また、米国の定番スタジオヘッドホンということでリファレンスとして使用しても問題ないでしょう。高レベルでハイ、ミッド、ローが共存している素晴らしいヘッドホンですので、DTMも行う予定があれば是非手にとってみてほしいです。

余談

ATH-m50xはオーテク製品の中でも特に力が入っているのか、それとも売れ行きが良いのかはわからないですが、カラーバリエーションが非常に豊富です。

定番のブラック、女性DJの使用者が非常に多いホワイトの2色の通常ラインナップに加えて

数々の限定カラーが台数限定で用意されています。

スタイリングにこだわるのであれば、限定カラーを手に入れると気持ちの入り方が熱くなると思いますので、ぜひぜひ。

また、上記のリスニングにも耐えうる豊かな特製からBluetooth レシーバーを搭載した無線モデルも併売されています。

通常ラインナップと同様有線接続も可能で、カジュアルに聞くときは無線、DJするときは有線と使い分けができるので、便利です。最新VerのBluetooth5.0搭載で有線接続と遜色ない音質で聴けるのも非常にグッドなポイント。街で見かけたらチェックしてみてください!

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